今週の株

👌今週の株👍:(株)資生堂

日本人の美と健康を守りたい

資生堂は、化粧品、化粧用具、美容食品および医薬品の販売を主な事業内容とし、子会社は71社、関連会社は3社。創業者は、福原 有信 [ ふくはら ありのぶ : 嘉永 ( 1848年 ) 元年 ~ 大正 ( 1924年 ) 13年、享年76歳 ] で、氏は千葉県出身、薬剤師として東大病院、海軍病院に勤務し、23歳の時に調剤薬局「資生堂」を銀座に開業ました。「日本人の美と健康を守りたい」と終生追い続けた人だったそうです。

資生堂の株価(月末の「終値」)は、下図のとおり下落し続けています。したがって、同社の財務をみてみたいと思います。なお、昨年の3月4日の「今週の株価当てクイズ10」で、2022年12月決算状況に基づく判断をしていました。2022年までは、青色のグラフ「事業の儲けでのお金」は少しづつですが上昇してましたが、クイズの答えは株価下落でした。

株価の長期の下落は、財務内容から予測できたか?

資生堂が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

一見すると青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」が上位にあり良好な財務内容のようですが、その「事業の儲けで獲得したお金」の青色のグラフは毎期徐々に下降しています。

なぜ青色のグラフは減少している?

青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」を大きく3 区分 ( A , B , C )したもので少し詳しくみてみます。

A・・この「当期純利益」は各期の1年間における営業成績を表します。2023年決算で「事業の儲けでのお金」のグラフが下降している原因は、「※1➡ 」で表示のとおり「当期純損益」が前期に比べて減少しているためです。「営業損益」「経常損益」も前期比で大きく減少しいます。

B・・この賞与引当金などの各種の引当金は、利益 ( A ) の計算において費用として計上されていますが、この引当金というのは、現実に社外に支出された接待交際費のような費用でありません。つまり、将来の支出が見込まれるという理由で費用計上されたものです。したがって、このBで計算される数値は、利益 ( A )を実際のキャッシュの動きとして見るための補完的区分です。

C・・「事業の儲けでのお金」は、当期のみの「事業の儲けでのお金」だけではありません。つまり、創業以来の儲けてきたお金もあります。ただし、この創業以来の儲けてきたお金は、株主への配当金として社外に支出されてきた残りのお金です。仮に毎期ごとに儲けてきたお金をすべて配当金として支出してきたとすれば、この「繰越利益剰余金」はゼロとなります。2024年決算でも青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」が下降している原因は、この「繰越利益剰余金」( ※2➡) が減少しているためです。

以上の決して良好とは言い難い財務内容です。したがって、この青色のグラフの「事業の儲けでのお金」は株価の動きと一定の関連性が認めらますが、その中身の見ることが必要で、特にAの「当期利益」の動きはその企業の収益性、将来性を知るために重要となります。

茶色のグラフ「設備・投資等でのお金」の減少について

設備や投資などの資産を取得する場合に、社債を発行するか、長期の借入金をするかなどで資金対応します。まさか、明日、明後日に返済しなければならない短期借入金などで対応することはありません。したがって、この「設備・投資等でのお金」の計算式は、単純に示せば( 社債+長期借入金 ) - ( 設備金額 + 投資金額 ) = (設備・投資等でのお金) となります。資生堂は茶色のグラフ「設備・投資等でのお金」が減少していますが、その原因は、「社債」と「長期借入金」が約360億円増加したのに対して、その2倍以上の約734億円を「関係会社株式」の取得という新たな投資活動のための支出したため、「設備・投資等でのお金」のマイナスが約380億円増加したのです。

「関係会社株式」の取得という投資活動が、吉と出るか、凶とでるか

資生堂は、損益計算書の「特別損失」において「構造改革費用」を2023年12月決算で約40億円、2024年12月決算で約18億円を計上していることから、収益力の大幅なアップへ向けて改革を行うとともに、外部から資金を調達し「関係会社株式」の取得という投資活動を活発化させているようです。したがって、その成果が今年2025年12月の決算書において実現できるかどうか注目したいとと思います。なお、人工知能は(AI)に、損益計算書、貸借対照表とともに、現金・預金(キャッシュ)をその獲得した4つの手段で示したグラフを提供し分析させて見ました。その回答の一部は下記のとおりですが、妥当な判断・回答をしていて「なかなか優秀ではないか」というのが感想です。

(1) 事業の儲けで獲得したお金の停滞
 傾向:「事業の儲けで獲得したお金」は、2022年の960円から2024年には892円、2025年 予測では872円と、緩やかな減少傾向にあります。これは、企業のコアビジネスが生み出すキャッシュ創出力が低下していることを示唆しており、将来の成長への懸念材料となります。

 課題 :  本業の収益性改善が急務です。営業利益の確保と、それがキャッシュとして効率的に獲得できる体質の強化が求められます。この数字の停滞は、株価下落の主要因の一つと考えられます。

(2) 設備・投資等の長期資金で獲得したお金の恒常的な流出増大
 傾向 : この項目は2022年の△818円から2024年の△939円、2025年予測では△1,073円と、一貫してマイナス幅が拡大しています。この定義は、設備投資、長期債務の返済、長期投資(関係会社投資など)、および配当金支払いなど、「事業の儲け」「運転資金」「お付き合い」以外の全てのキャッシュフロー活動の純額を示すと推測されます。

 問題点 : この巨額かつ拡大するマイナスは、以下の深刻な問題を示唆しています。 

・大規模な現金流出: 企業が成長戦略、投資、または返済活動のために、事業で生み出す以上のキャッシュを継続的に使っている状態です。

・資金調達への依存: 事業で生み出すキャッシュではこの流出を賄いきれていないため、外部からの資金調達(特に借入)に強く依存していることを意味します。これは、過去の損益計算書や貸借対照表での分析(有利子負債の急増など)とも整合します。

・財務体質の悪化: 継続的な借入れは、企業の財務レバレッジを高め、金利負担を増大させ、将来的な資金繰りリスクを加速させます。

(株)資生堂の今後の株価の動きについて

「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍で推移しているかをみると、2022年の6.05倍(年間株価平均値)から2024年は4.42倍(年間株価平均値)と減少しています。財務内容の分析からこの減少傾向は続くと判断されますが、関係会社株式の取得という投資活動の成果が出て、青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」が上昇に転じ、なかんずく「営業損失」が「営業利益」に転じ、その時点で倍率が4倍未満の3倍台であれば買い時と考えられます。

人工知能は(AI)は、下記のように現状維持と評価悪化のシナリオで具体的株価まで予測していました。なかなか「お利口さんだな」が私の感想です。

投資家は、企業が本業で安定してキャッシュを生み出し、それが投資や株主還元に充てられることを期待します。しかし、資生堂は「事業の儲け」が減少し、同時に「設備・投資等の長期資金」で莫大なキャッシュを消費し、その資金を借入に大きく依存している状況です。これは、企業の持続可能性と成長性に疑問符を投げかけるものです。

現状維持シナリオ(楽観的): もし市場の評価倍率が2024年の4.42倍で維持されると仮定した場合:株価 = 4.42倍 × 872円 (2025年予測の「事業の儲け」) = 約3,854円

評価悪化シナリオ(悲観的): 継続的な財務リスク(借入依存)、本業の儲けの停滞、大量の現金流出が改善されない場合、市場はさらに企業価値を低く評価する可能性があります。もし評価倍率がさらに下がり(例:4.0倍以下)、市場がより警戒的になれば:株価 = 4.0倍 × 872円 = 約3,488円

結論として、投資家の信頼回復が見られない限り、資生堂の株価は上昇に転じることは困難であり、むしろ2024年の水準(3,944円)を下回る可能性が高い、と予測されます。特に、大規模な「設備・投資等の長期資金」の流出を借入で賄う状況が続く限り、株価の上値は重いでしょう。早急な財務体質改善と、本業の収益力強化が株価回復の鍵となります。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています
今週に追加した企業は、「京成電鉄(株)」と「日本電信電話(株)」です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:魏志倭人伝に記されている「伊都国 :いとこく」の王都とされる糸島市(筑前の国:福岡県)から福岡市南部へ峠を越えて行きました。途中の神社の空き地では数人の男の子たちが草野球をしてました。近頃では珍しい光景でしたから、座り込んでしばらく見学してました。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年5月26日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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