食を創り、世の為につくす

日清食品は、昭和23年に「中交総社」として設立され、昭和33年に「日清食品」として引き継がれましたが、創業者の安藤百福によって、大阪府池田市の自宅の小屋でインスタントラーメンの草分けのひとつである「チキンラーメン」が開発されたのが始まりで、「日々清らかに豊かな味をつくる」という創業者の言葉が社名の由来となっているそうです。「日清」と名乗る企業のうち日清製粉グループなどとは設立経緯や資本・人材含め無関係です。(Wikipediaより)
同社の株価は、2024年3月決算期から今年の2026年3月の決算期まで下降し、その後も下降が続いていますので財務内容を見てみたいと思います。

青アップと紫ダウンのグラフが、まったく逆の動きを示す意味は?
日清食品が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフで注目すべきは、青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) が上昇するのと歩調を合わせるように、紫色のグラフである「お付き合いでのお金」(・・④ )が、下降していることです。この青色と紫色のグラフの真逆の動きは、日清食品本体の業績のアップとともに子会社なども業績が順調になり、その子会社へ支援していた資金の回収も順調に進んでいると判断させます。したがって、もう少しその動きの内容を調べてみます。
よく見たら青グラフの「事業で獲得した儲けのお金」はもっとあった!
下図の利益の3期比較でわかるように、本年2026年3月決算期の業績のアップは顕著です。

さらに、下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。「当期純利益」は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算 されていますので、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益は上昇しています。(・・A )

しかし、過去の「事業で獲得した儲けのお金」が減少しています。(・・B ) この過去の「事業で獲得した儲けのお金」は、利益を株主への配当金として支出した金額の残りですから、減少しているということは、利益以上に配当金が支出されていてるのでしょうか?。下図は前年の2025年3月決算期を受けて「事業で獲得した儲けのお金」をどのように処分するか、つまり、株主への配当をどうするかなどを株主総会で決定した内容の表です。この表を見ると2025年3月決算期の利益 ( 朱色 ❷ )が145億円であるのに対し、配当金の支出 ( 朱色❶ ) は226億円で確かに利益以上に配当金を支払っています。また、取得した自社発行の株式を消却するために利益から205億円 ( 朱色❸ ) を支出しています。

したがって、仮に配当金の支出 ( 朱色❶ ) は226億円が前期並みの157億円( これでも2025年の利益145億円を超えています )で、かつ、自己株式の消却に支出した205億円 ( 朱色❸ ) がなかったとしたら、繰り越される「事業の儲けでのお金」はずっと大きくなり、下図の左の棒グラフ (青色の B )が、右の棒グラフ (朱色の B )に変化します。つまり、さらに「事業の儲けでのお金」はアップします。

また、冒頭の4つの折れ線グラフの動きでは、下図左がプラスの最高値600であるのに対して右ではこの600は最高値ではなく一段下に低い位置です。つまり、青色のグラフである「事業の儲けでのお金」が一段とアップしていることが分かります。したがって、利益以上の配当金の支出がなく自己株式の消却もなければ、右の折れ線グラフが財務体質の変化の実態を示すこととなり、日清食品はさらに良好な財務体質の企業であることが分かります。

子会社へ支援していた資金の回収も極めて順調
下図は「お付き合いでのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。子会社などからの資金回収額 (・・A ) が、子会社などへの資金支援額 (・・B ) より多額です。したがって、「お付き合いでのお金」(・・C )は、稼ぐ力のアップに呼応するように急激に減少(・・D ) しています。つまり、「事業の儲けでのお金」の潤沢さが増すことで「お付き合いでのお金」での資金は不必要 となっています。

以上の棒グラフの動きは、有価証券報告書の貸借対照表の「関係会社に係る注記」でも確認できます。Aの短期金銭債権の残高の減少(資金の回収)が、Bの短期金銭債務の残高の増加(資金の支援)以上に多額となっています。。

日清食品ホールディングス(株)の今後の株価の動きについて
上述のように日清食品はさらに良好な財務体質に向かっています。また、「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、前々期の2024年3月決算時点の14.64倍から、今年の2026年3月決算期時点は7.29倍と半減しています。すなわち急激に割安傾向に向かっています。したがって、財務内容の分析からは、今後は株価は上昇すると判断します。

なお、「利益以上の配当金の支出がなく、自己株式の消却もなければ」との仮定で計算すればこの表も変化します。(参考資料)

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週はスギホールディングス株式会社です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の玉名市天水町です。明治の文豪 夏目漱石 も歩いた道沿いに榎の木が立っていました。暑い日でこの木陰はありがたかったです。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年7月13日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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