今週の株

👌今週の株👍:(株)ニチレイ

     食からひろがる幸せを    

株式会社ニチレイの旧社名は「日本冷蔵」で低温物流、冷蔵倉庫事業を祖業とし、今日ではこのインフラを活用した冷凍食品事業(事業会社はニチレイフーズ)と、低温物流事業(事業会社はニチレイロジグループ)の両分野が、売上および営業利益で比肩する主力事業となっており、ともに国内最大手に位置しています。(Wikipediaより) なお、サイバー攻撃によるシステム障害で滞っていた低温物流事業を順次、再開しています。

同社の株価は、下図のとおり2026年3月決算から低迷し、ようやく5月から上昇傾向を示しています。財務内容で今後の動きを判断してみます。

緑色のグラフ「運転資金でのお金」が大きなプラスへ急上昇

ニチレイが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金(青色のグラフ)」、②「運転資金で獲得したお金(緑色のグラフ)」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金(茶色のグラフ)」、④「お付き合いで獲得したお金(紫色のグラフ)」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフで注目すべきは、青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) のプラスの値に迫るように、緑色のグラフである「運転資金でのお金」(・・② )が迫るように上昇していることです。同社の財務戦略がどのようなものか見てみます。

自己株式を消却する余裕もあり、業績は順調に推移、

下図の利益の3期比較でわかるように、各種の利益は堅実に確保しています。

下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。「当期純利益」は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算 されていますが、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益は上昇しています。(・・A )

また、過去の「事業で獲得した儲けのお金」もわずかですが上昇しています。(・・B ) つまり「事業で獲得した儲けのお金」は、利益を株主への配当金として支出した金額の残りですからわずかに上昇しているということは、配当金が利益に比べてかなり多額であるため、積み増ししていく繰越利益剰余金がわずかということを意味しています。なお、前年の2025年3月決算期では、この利益の社外への支出において、配当金のほかに「自己株式の消却」にも151億円を支出する決定をしていますのて、この棒グラフは、その「自己株式の消却」151億円がなかったと仮定しています。つまり、過去の「事業で獲得した儲けのお金」を単なる有価証券報告書の数値のみで分析せず、下図に表示のとおり「事業の儲けで獲得したお金の実態」で分析しています。(・・C) その結果、冒頭のグラフの「事業の儲けでのお金」の折れ線グラフは堅調に上昇しています。

短期借入金、コマーシャルペーパーの急増について

下図は「運転資金でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。買掛金などの営業債務 (・・A、将来支出されるものがまだ支出されていないという意味で運転資金のプラス)も、売掛金などの営業債権 (・・B 、将来入金されるものがまだ入金されていないという意味で運転資金のマイナス) もわずかの変化です。顕著なのが「短期借入金」「コマーシャルペーパー ( CP : 企業が信用力をもとに短期資金を市場から直接調達するための無担保の約束手形 )」です。(・・C )  したがって、緑色のグラフである「運転資金でのお金」が大きくプラスの値へ向けて急上昇しています。(・・D )

それでは、青色のグラフの「事業の儲けでのお金」が潤沢にあり、売掛金や買掛金などの決済ための「運転資金のお金」という資金には問題がまったくないのに、なぜ多額の短期借入金やCPで資金を調達したのでしょうか? したがって、このニチレイの財務戦略を知るために、有価証券報告書の「キャッシュ・フローの状況」を確認しましたが、下図の朱線のように明確な記載はありませんでしたので、この件はニチレイの財務の課題として今後留意すべき事項と判断されます。

株式会社ニチレイの今後の株価の動きについて

上述のようにニチレイは良好な業績を確保していますが、今期急増した短期借入金やCPに留意していく必要があります。また、2025年に自己株式を消却した有価証券報告書の数値に基づいて「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、前々期の2024年3月決算時点の14.64倍から、2024年8.58倍➡2025年9.24倍➡今年の2026年3月決算期時点は11.77倍と急増しています。したがって、「株価」は低迷していたとはいえ「事業の儲けでのお金」の増加以上の「株価」であったと判断されますので、同社の株価は「短期借入金」「CP」を含めた今後の財務の変化に留意べきと思われます。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週は株式会社ディスコです。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:肥前の国(佐賀県)の陶器で有名な有田の近傍の里山からの写真です。夕暮れ近くの有田駅には花が咲いていました。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年7月20日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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