シリコンウェーハが 世界を動かす

株式会社SUMCO(サムコ)は、半導体用シリコンウェハーの製造・販売を行う専業メーカーです。半導体用ウェハー生産において世界で高いシェアを持つグローバルカンパニーで、本社は東京にあり、台湾、中国、韓国、インドネシア、アメリカ、イギリスに支社や事業所、工場を持ちますが、昭和12年(1937年) に設立された 大阪特殊製鉄所がその始まりだそうです。(Wikipediaより)
同社の株価は、下図のとおり2025年12月の決算まで株価が低迷していましたが、半導体関連の株価アップとともに、SUMCOも同じように現在まで急上昇しています。はたして財務体質的にはどのようなものでしょうか?

青色のグラフが減少、茶色のグラフは上昇
SUMCOが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金(青色のグラフ)」、②「運転資金で獲得したお金(緑色のグラフ)」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金(茶色のグラフ)」、④「お付き合いで獲得したお金(紫色のグラフ)」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフで注目すべきは、一つは青色のグラフである「事業の儲けでのお金」(・・① )が下降していること、二つ目は茶色のグラフである「設備・投資でのお金」(・・③ )が上昇していることです。それらの意味するところを中心に分析してみます。
業績は必ずしも順調といえず、配当金の支出も減少
下図の利益の3期比較でわかるように、2023年12月の三期前から2025年12月決算期まで「当期純利益」は減少しています。

なお、「当期純利益」は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算されていますので、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益がポイントになりますが、下図の「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフでみても減少していることが分かります。(・・A )

ただ、過去の「事業で獲得した儲けのお金」(・・B ) は、利益を株主への配当金として支出した金額の残りにもかかわらず、着実に積み上がっています。したがって、当期と過去を合わせた「事業の儲けでのお金」の減少はゆるやか(・・C )となっています。それでは、なぜ毎期の当期純利益が減少しているのに、過去の「事業で獲得した儲けのお金」は減少せず積み上がっているのでしょうか。有価証券報告書には、各期の1株当たりの配当金も公開していますが、各期の配当金 ( 朱枠部分 ) は利益の減少以上に少なくなっています。このことが過去の「事業で獲得した儲けのお金」を積み上げさせ、「事業の儲けでのお金」の減少幅を少なくしている原因です。

「運転資金でのお金」の動きでも知れる業績の状況
下図は「運転資金でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。買掛金などの営業債務も、売掛金などの営業債権 も大きな変化はみられませんが、在庫、特に原材料の在庫 (・・A ) が「売上」から「仕入れ等の原価」を差し引いた「売上総利益」の低迷にもかかわらず増加しています。業績が順調であれば在庫は減少していきますが、逆に増えていくことは業績が必ずしも順調でない証左です。しかし、この運転資金の確保のための「短期借入金」をさぼど増加 (・・B ) させていません。したがって、企業全体の資金でいえば、この在庫などでの運転資金のマイナス(・・C ) が増加し、他の設備・投資等に必要とする資金を食いつぶしているとも判断されます。

「設備・投資等でのお金」の動きで見る成長戦略
下図は「設備・投資等でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。特に2024年12月決算期には、工場建物・機械設備などの有形固定資産 (・・A ) への投資を活発に行い、今後の成長戦略のための投資を行っていることが分かります。また、その投資に対応する長期の資金調達も行っています。(・・B )

株式会社 SUMCO の今後の株価の動きについて
以上SUMCOは、2025年12月決算期では未だ成長戦略が、顕著に、かつ、具体的な業績として発現していません。しかし「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍かをみると、今年の2025年12月決算期時点は2.13倍で極めて割安です。したがって、今後も株価は上昇していくものと判断します。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週は日本ケミコン株式会社です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥前の国(佐賀県)に嫁に行ってる娘が案内してくれた平戸です。その時に娘に抱かれていた赤ん坊がもはや腕白盛りです。この年も猛暑でした。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年8月10日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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