明日を考え、今日を築こう

リンテック株式会社は、粘着素材や粘着関連機器、特殊紙、剥離紙・剥離フィルムなどの開発・製造・販売を行う企業で、昭和2年(1927年)に東京・巣鴨に不二商会として開業し、平成2年(1990年)に 四国製紙株式会社、創研化工株式会社と合併し、リンテック株式会社に商号変更しました。(Wikipediaより)
同社の株価は、下図のとおり一本調子で上昇しています。財務体質がどのようなものか気になるところです。

「設備・投資等でのお金」が「事業の儲けでのお金」より多い
リンテックがが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金(青色のグラフ)」、②「運転資金で獲得したお金(緑色のグラフ)」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金(茶色のグラフ)」、④「お付き合いで獲得したお金(紫色のグラフ)」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフの特徴は、茶色のグラフである「設備・投資でのお金」(・・③ )が、青色のグラフである「事業の儲けでのお金」(・・① )よりも上位に位置していることです。つまり、「事業の儲けで獲得したお金」よりも「設備・投資で獲得したお金」が多いということです。はたしてどのような財務体質の企業なのかどうかを分析したいと思います。
過去の「事業の儲けでのお金」が減少している原因について
2024年3月の三期前から2026年3月決算期までの具体的な「当期純利益」は下図のとおりです。2025年にダウンし今年の2026年にアップしました

下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。「当期純利益」(・・A ) は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算(・・B ) されていますが、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益は前期ダウンしましたが、今期はアップしました。(・・C )

しかし、過去の「事業で獲得した儲けのお金」(・・D ) は当期の2026年に急減しています。 利益を株主への配当金として支出した金額の残りとしても、減少した原因が気になります。したがって、有価証券報告書から利益処分に関する情報をみると、利益から8,871百万が資本剰余金へ振替えしていました。つまり「事業の儲けでのお金」を「設備・投資等でのお金」に振替ていたのでした。この振替処理がなければ「事業の儲けでのお金」はもっとプラスとなるはずでした。

過去の「事業の儲けでのお金」はもっと多額だった!
下図は「設備・投資等でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。土地・建物などの有形固定資産 (・・A )の支出や、投資その他の資産 (・・B )の支出に比べても、その調達資金である長期借入金 (・・C )は僅かです。そして、注目すべきは資本金や資本準備金などの調達資本が多額であることです。つまり、調達資金が設備や投資に100%支出されていない。したがって、今後の設備や投資に大きな支出することができる余力がたっぷりとある(ブラスの金額である)ことを示しています。

以上のことを有価証報告書でみますと、貸借対照表の「純資産の部」(決算時点の企業が保有するすべての資産からすべての負債を控除した残高と一致したもの)には、「過去の事業の儲けでのお金」である「繰越利益剰余金」(・・青枠)が表示されているとともに、設備や投資のための調達資金としての「別途積立金」(・・朱枠、「過去の事業の儲けでのお金」から振り替えられた「別途積立金」 ) が表示されています。下図のとおり、「繰越利益剰余金」に比べ「別途積立金」が巨額であることが分かります。このことは、仮に「別途積立金」への振替が行われていなかったとすれば、「過去の事業の儲けでのお金」である「繰越利益剰余金」は巨額であったことを意味します。

この「別途積立金」が仮に「過去の事業の儲けでのお金」である「繰越利益剰余金」から振り替えられていなかったとした場合の折れ線グラフでは、下記のとおり極めて良好な財務体質の企業のグラフに大きく変化します。

リンテック株式会社 の今後の株価の動きについて
以上のようにリンテックは、良好な財務体質をもった企業であることが分かりました。また、「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍かをみると、毎期ごとに高くなっていますが、今年の2026年3月決算期時点は9.16倍です。したがって、同社の財務内容から見ても株価は上昇していくものと判断します。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週はセイコーグループ株式会社です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:筑前の国(福岡県)のJR九州日田彦山線(廃線)添いの民家の樹木を撮らして頂きました。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年8月24日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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