今週の株

👌今週の株👍:日産自動車(株)

     イノベーションをドライブし続ける    

日産自動車は、2026年度までに業績を回復し、長期的な成長に向けて経営を再建するための行動計画を策定しています。すなわち、「厳しい事業環境の中、自社の高コスト構造を改善し目指す姿を実現するため、優先課題を見直し、明確で具体的なアクションを策定し、自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化を目指しています。この計画を推進する3つの柱は、『コスト構造の改善』、『市場戦略と商品戦略の再定義』、『パートナーシップの強化』です。」(日産自動車再建計画より、一部抜粋)

2026年3月決算後にも株価は、ほとんど変化していません。むしろ多少下降しています。はたして財務内容はどうなのかをみてみます。

青色のグラフに伸びが見られず、紫色のグラフが急降下

日産自動車が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金(青色のグラフ)」、②「運転資金で獲得したお金(緑色のグラフ)」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金(茶色のグラフ)」、④「お付き合いで獲得したお金(紫色のグラフ)」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフで注目すべきは、青色のグラフである「事業の儲けでのお金」(・・① )に伸びが見られないことです。。そして、「お付き合いでのお金」(・・④ )のマイナスが大きな数値となり急激に下降していることです。

2026年3月決算期は各種の利益が大幅に減少

2024年3月の三期前から2026年3月決算期までの各種の利益は下図のとおりです。「営業利益」「経常利益」「当期純利益」ともに大きく減少しています。

下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。「当期純利益」(・・A ) は減少し続け2026年はマイナスとなりました。ただし、この「当期純利益」は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算されてされています(・・B )ので、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益の減少幅は少し緩やか(・・C ) となっています。

なお、過去の「事業の儲けでのお金」(・・D ) は、利益を株主への配当金として支出した金額の残りですが、2026年は減少しています。この原因は「自己株式の消却」をして「繰越利益剰余金」を少なくしたためです。したがって、この過去の「事業の儲けでのお金」と「当期純利益」を合算した「事業の儲けでのお金」(・・E ) も2026年は減少していますので、冒頭の折れ線グラフでは青色のグラフに伸びが見られない結果となっています。

「関係会社事業損失引当金」について

ここで再度、上記(・・B ) に関しての説明をします。すなわち、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などは、キャッシュフローで当期純利益を計算する時には、費用として計上されているのですから、その当期純利益に加算します。ただし、日産自動車における引当金は、下図の有価証券報告書の朱枠で表示している「関係会社事業損失引当金」が重要です。なぜならば、子会社などの事業が仮に順調であれば、将来の損失に備えてわざわざ引当金を費用計上する必要がないからです。(なお、この将来の損失に備えた引当金という費用が現実に発生しなければ、その費用計上した金額は「戻入」として収益に計上することとなります。)  つまり、日産自動車は経営再建戦略のなかで、これら関係会社の再建戦略を極めて重視していることが分かります。

親会社である日産自動車と子会社などの関係会社との間でのお金の動きは、「事業の儲けでのお金」ではありません。また「運転資金でのお金」でもありません。さらには「設備・投資等でのお金」でもありません。それは「お付き合いでのお金」です。つまり、親会社は子会社に資金の援助をしたり、その援助資金を回収したりという「お付き合い」が必要とされるからです。

「関係会社短期貸付金」が急増

下図は2026年3月決算期における有価証券報告書の貸借対照表の一部ですが、朱枠で表示している「関係会社短期貸付金」に注目してください。急激に増加しています。2026年で約7,243億円増加しています。子会社などの関係会社へ再建資金を貸し付けていることが分かります。したがって、このような巨額の支出が発生しているのですから、「お付き合いでのお金」が大幅にマイナスになるのは当然で、冒頭のグラフで紫色の折れ線グラフ(・・④ ) が急降下した原因がわかります。

日産自動車株式会社の今後の株価の動きについて

日産自動車は上述のように再建途上です。ただし、「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍かをみると、今年の2026年3月決算期時点は、1.99倍と極めて割安です。したがって、再建の兆候がみられたら、株価は上昇していくと判断されます。もっとも、再建計画が順調に進むかどうかを財務分析でシッカリと確認する必要があります。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週は日本航空株式会社です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:筑後の国(福岡県)の八女市の黒木町 ( 女優の「黒木 瞳」さんの出身地 ) から、八女市街へ向かって山道を下っていくと青々とした深い淵がありました。神社も古くて風情がありました。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年9月28日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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