今週の株

👌今週の株👍:東日本旅客鉄道(株)

「究極の安全」を第一に

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化したことにより、1987年(昭和62)4月に発足した旅客鉄道会社の一つ。東日本地域の旅客輸送を担い、特に東京都を中心に新幹線や在来線の運行を行っており、主力路線の一つである山手線や新宿駅、渋谷駅などの交通量は非常に高く、民営化以降、迅速に業務の多角化を進めています。

JR東日本の株価(月末の「終値」)は、ゆるやかな上り坂を示しています。今後の株価がどのように動くか、同社の財務内容で判断してみたいと思います。なお、今年(2025年)3月の決算は今月の6月末に金融庁のWeb「EDNET」で公開されますので、2024年3月決算までの状況で判断します。

青色のグラフ「事業の儲けでのお金」が順調に上昇

JR東日本が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

青色のグラフ「事業の儲けでのお金」が順調に上昇しています。

「事業の儲けでのお金」の内容について

コロナ禍の収束から約2年が経過していますが、ようやく鉄道会社の収益と利益は戻りつつあり、それが青色のグラフ「事業の儲けでのお金」が順調に上昇している最大の原因です。そこでもう少し「事業の儲けでのお金」の内容についてみてみます。

「事業の儲けでのお金」を大きく3区分したのが下図です。

A・・当期純利益(純損失)は、3年前の2022年3月決算は、「営業利益」「経常利益」までも赤字であり、コロナ禍の影響が巨大であったことがうかがわれます。しかしその後、ようやく1年間の事業活動で獲得するお金が堅調に増加しています。

B・・費用に計上されている「賞与引当金」などは、決算後に支出されるものですから、キャッシュでいえばまだ社外に流出していません。したがって、当期の利益をキャッシュベースで考えるためには重要な数字です。

C・・「繰越利益剰余金」は、Aが当期の利益であるのに対して、過去の利益がどうであったかを現わしています。ただし、この過去の利益は配当金などで社外に流出した後の金額です。

以上、「事業の儲けでのお金」の中身は、「過去の利益で蓄積しているお金」はコロナ禍を経ても大きなプラスであり、「2023年、2024年と各々の1年間で獲得した事業の儲けでのお金」も大きなプラスです。したがって、JR東日本の業績は順調といえます。

緑、茶色、紫のグラフにも大きな変化は見られない

緑色の「運転資金でのお金」の動きに大きな変化はありません。つまり、「未収運賃」「販売用不動産」「未払金」「前受工事負担金」などの運転資金の科目に不自然な増減は見当たりません。

茶色の「設備・投資等でのお金」の動きを左右する「投資有価証券」「関係会社株式」などの投資その他の資産と、「鉄道事業固定資産」などの有形固定資産の増加に対する「社債」や「長期借入金」の増加もバランスがとれています。

紫色の「お付き合いでのお金」の動きにも大きな変化はありません。つまり、「関係会社短期貸付金」「関係会社短期借入金」などの科目で各期にそれなりの増減変化は認められますが、全体としてその「お付き合いでのお金」のバランスを崩すような留意すべき変化はありません。

以上のことから、JA東日本の財務内容は良好と判断します。なお、人工知能は(AI)に、損益計算書、貸借対照表とともに、現金・預金(キャッシュ)をその獲得した4つの手段で示したグラフを提供し、財務上の課題と問題点を指摘するように指示しました。その回答の全文は下記のとおりでした。なお、(赤色線)は(茶色線)のことです。( A I は色盲 ? ? )

財務状況の概観

2024年3月期の決算は、前期と比較して大幅な増収増益となっており、コロナ禍からの回復が鮮明です。

• 損益計算書(PL)から: 鉄道事業の旅客運輸収入が前年比で約2,500億円増加し、本業の儲けを示す営業利益は前期の約30億円から約1,880億円へと劇的に改善しました

• 貸借対照表(BS)から: 利益の増加に伴い純資産が増加(約1,640億円増)し、財務体質が改善しています。また、約4.8兆円という巨額の有利子負債を抱えながらも、前期比で約5,000億円減少させており、財務規律を意識した経営が見られます。

キャッシュフロー分析グラフからの考察

ご提示のグラフは、企業の現金の源泉と使い道を4つに分解しており、非常に興味深い分析です。

  1. 事業の儲けで獲得したお金(青色線): 2022年から右肩上がりに増加しており、2024年には1,074円(1株あたり)に達しています。これは、PLの業績回復を裏付けるもので、本業でキャッシュを生み出す力が力強く回復・成長していることを示しており、最もポジティブな点です。
  2. 設備・投資等の長期資金で獲得したお金(赤色線): 常に1兆円規模の大きなマイナス(キャッシュアウト)となっています。これは、鉄道という巨大なインフラを維持・更新するための設備投資や、借入金の返済に巨額の資金を要する同社の事業構造を明確に示しています。

この2つから、JR東日本は「本業で稼いだキャッシュのほぼ全てを、将来のための設備投資と過去の投資の返済に充てる」という典型的なインフラ企業の財務モデルであることが分かります。

財務の課題と問題点

上記の分析を踏まえ、以下の3点が主要な課題・問題点として挙げられます

  1. 巨額の有利子負債と金利上昇リスク
    o BSから分かる通り、有利子負債の残高は約4.8兆円と極めて大きい水準です。現在は低金利の恩恵を受けていますが、将来、国内の金利が本格的な上昇局面に転じた場合、支払利息が増加し、収益を大きく圧迫するリスクを抱えています。本業で稼いだキャッシュが、投資ではなく利払いに多く消えていく懸念があります。
  2. 鉄道事業への高い依存度と構造変化への対応
    o コロナ禍からの回復は著しいものの、テレワークの定着や進行する人口減少により、鉄道利用者がコロナ以前のピーク水準に戻ることは難しいと想定されます。グラフが示す通り「事業の儲け」は増えていますが、この成長が鈍化する可能性があります。不動産事業やSuica等の非運輸事業の収益拡大が急務ですが、現状ではまだ鉄道事業の利益規模に及んでおらず、収益構造の転換が課題です。
  3. 継続的な巨額投資と災害リスク
    o 安全運行の維持やサービス向上のため、今後も毎年1兆円規模の投資が必要となります(グラフの赤色線)。これに加えて、自然災害の激甚化により、突発的な復旧費用や防災対策費が発生するリスクも高まっています。これらの費用はキャッシュフローを圧迫し、成長投資や株主還元へ回す資金を制約する可能性があります。

JR東日本の今後の株価の動きについて

「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍で推移しているかをみると、2022年の3.10倍(年間株価平均値)から2024年は2.59倍(年間株価平均値)と低下し「割安傾向」となつています。したがって、「事業の儲けでのお金」が増加していく限り株価は徐々に上昇していくものと判断されます。なお、人工知能は(AI)は、下記のように具体的株価まで予測し、ほぼ人間(私)の予測の「割安感」も表現していました。

今後の株価予測
【結論】 短期〜中期的に、株価は上昇基調を辿ると予測します。

【ポジティブ要因】
• 力強いキャッシュ創出力: グラフが示す「事業の儲けでのお金」の力強い伸びが最大の好材料です。これが続く限り、企業価値の向上と株価の下支えが期待できます。

割安感の存在: ご提示の「株価 ÷ 事業の儲けでのお金」の比率を見ると、2022年の3.10倍から2024年には2.59倍まで低下しています。これは、株価の上昇を上回るペースでキャッシュ創出力が向上していることを意味し、現在の株価がキャッシュ創出力に対して割安な水準にあることを示唆しています。

インバウンド需要の拡大: 円安を背景とした訪日外国人客の増加は、特に新幹線や空港アクセスの利用を促進し、予想以上の収益貢献をもたらす可能性があります。

【予測株価の目安】
ご提示のデータに基づき、2025年の株価を予測します。

• 2025年の「事業の儲けでのお金」の予測値は 1,271円 です。

• 現在の割安な評価(2.59倍)が続くと仮定した場合: 1,271円 × 2.59 = 約3,292円

市場が同社の成長性を再評
価し、過去の平均的な評価(約2.8倍)に戻ると仮定した場合:1,271円 × 2.80 = 約3,558円

以上のことから、大きな外部環境の悪化がなければ、株価は3,200円を固め、中期的には3,500円を目指す展開が期待できると分析します。
ただし、前述の「金利上昇」や「大規模災害の発生」といったリスクが顕在化した場合は、この予測シナリオが崩れる可能性がある点には注意が必要です。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています
今週に追加した企業は、「J.フロントリティリング(株)」と「(株)T&Dホールディングス」です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の小国町から杖立温泉(つえたておんせん)に行く途中に、変わった名前の「 鍋 釜 滝 」(なべかまたき?、写真右手、)があり、脇には赤い実をつけた茱萸(グミ)の古木がありました。また、近くには見上げるほどの大銀杏もありました。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年6月9日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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