冒険は最良の師

アライドアーキテクツ(株)は、顧客企業のマーケティングを支援する事業であるSaaS事業、ソリューション事業、中国進出支援事業、そして海外SaaS事業の4つを中心に展開している企業ですが、昨年の2025年3月に自ら不適切な会計処理に対する「再発防止策の策定及び関係者の処分等に関するお知らせ」を公開しています。
同社の株価は、決算月の2024年12月、2025年12月の1年間の最高値と最低値の単純平均株価と、その後の今年からの動きは下図のとおりです。株価は300円前後と低迷していますのでその財務内容をみてみます。

「事業の儲けでのお金」が急下降、逆に「設備・投資等でのお金」が急上昇
アライドアーキテクツが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。) なお、同社の有価証券報告書は千円単位で表示されています。

青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) は、急激に下降し、それと真逆に茶色の「設備・投資等(・・③)」が急増しています。つまり、業績の悪化に伴う資金不足は「設備・投資等のでのお金」でカバーしていいる状態です。
青色のグラフの急下降 ➡ 業績の不振が一目瞭然
下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフで、各期とも純利益はマイナス ( 純損失・・A )です。ただし、この純損失は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算されていますから、この純損失をキャッシュベースでみるためには、それらの科目を加減算する必要があります。なお、2023年の加減算した結果が突出して上に立って( ・・B ) いますが、それは売掛金などで回収不能の恐れを見込んで費用に計上した(お金が出ていった費用ではありません。)「貸倒引当金」が例年に比べ極めて大きかったためです。したがって、これらキャッシュの入出金を考慮しでみた場合( ・・C )、2023年は純利益となっていますが、その後の2024年、2025年は続いて純損失が続いき拡大しています。
なお、過去の事業の儲けのお金から、配当金などを支払った残りのお金である「繰越利益剰余金」 (・・D )も急激に減少しています。2023年から3期続けて純損失(赤字)が続いているのですから、この過去の事業の儲けのお金が減少していくのは当然といえます。


茶色のグラフ急上昇 ➡ 「設備・投資等のお金」での資金維持
茶色のグラフである「設備・投資等でのお金」が急増しているということは、サラリーマンの例でいえば、給与収入が激減した場合には、親族から資金援助してもらったり、生活費を切り詰めたりすると思います。それと同じくアライドアーキテクツは「事業の儲けで獲得するお金」がありませんから、「設備・投資等でのお金」で資金を確保しています。
下図は「設備・投資等でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。 特徴的なのが資本金・資本剰余金等の増加 (・・A ) です。2025年では資本金、資本剰余金ともに1億5,769万円ずつ増加させ、約計3憶1,538万円の資金調達をしています。つまり、サラリーマンが親族(株主)から資金援助してもらうようなものです。また、本来であればこの資金は、成長戦略に基づき設備、投資等の投資活動に充てられるべきものです。しかし、投資その他の資産(・・B )の動きをみると、積極的な投資活動などでなく、逆に投資資産を手放して資金調達をしています。つまり、極端な生活費の切り詰めのようなものです。

下図は有価証券報告書における「資本金・資本準備金」の各期の在高で、2025年12月決算期に大きく増加しています。また、過去の事業の儲けでのお金である「繰越利益剰余金」が急減していることも分かります。

下図は有価証券報告書における「投資その他の資産」の各期の在高で、特に「投資有価証券」を毎期売却していることが分かります。また、2023年から2024年にかけて長期貸付金を回収することで資金の確保を図っていることが分かります。

アライドアーキテクツ(株)の今後の株価の動きについて
以上、アライドアーキテクツ(株)は極めて厳しい財務体質です。また、「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、2025年12月決算は赤字であり、株価判断もできません。

なお、同社の2026年12月決算の予測は、2022年~2025年の4期分の実績分析を基に、2025年の実績数値から自動的に予測値を出していますが、仮に純利益であった2022年12月決算の数値になるように、売上高は120%増とし、営業利益率を17.15%と入力すると、純損失(赤字)が純利益(黒字)となり、青色のグラフで示される「事業の儲けでのお金」は反転上昇します。したがって、今年の2026年12月決算の内容を注目したいと思います。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週の追加した企業は、 株式会社 荏原製作所です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の杖立(つえたて)温泉から、山越えで豊後の国 ( 大分県 ) の天ケ瀬温泉へ行く路傍に赤い花が咲き、まだ住んでそうな茅葺の民家もありました。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年5月18日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
![素人の株判断 [株価の上がり下がりの判断(株価予測)を可能とする情報を提供]](https://v-mind2.com/wp-content/uploads/2024/01/header1.png)