今週の株

👌今週の株👍:DIC(株)

進取・誠実・勤勉

DIC株式会社は、川村 喜十郎(かわむら きじゅうろう:明治13年~昭和33年)氏が明治41年(1908年)に創業した「川村インキ製造所」を経て、昭和12年に設立された「大日本インキ製造株式会社」が前身です。氏の言葉に「進取・誠実・勤勉」があるとのことですが、現在、同社は印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンド(自動車や電気・電子機器に使用される耐熱性樹脂)で世界トップシェアの化学メーカーです。

DIC(株)が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

2023年12月の決算で損失となっても株価は上昇しました。

2023年12月決算では、下図の有価証券報告書のとおり約33憶円の損失を計上しています。しかし、株価は翌月の2024年1月から12月まで上昇し続けました。(今年の2025年1月から下落) その主たる原因は株式市場や業界の動向によると考えられますが、2023年12月決算時点で、財務面から株価上昇の予測が可能であったかどうかを見てみたいと思います。

2023年12月の決算内容だけで以後の株価の動きを予測すると

タイムスリップして、2023年12月の決算内容で計算した財務の予測グラフは下図のとおりです。青色のグラフである「事業の儲けで獲得したお金」が、1年後の2024年に向けてさらに減少することが予測されています。また、緑のグラフ「運転資金で獲得したのお金」が増加して青色のグラフである「事業の儲けで獲得したお金」に限りなく近づいています。では「事業の儲けでのお金」が足りないから緑のグラフ「運転資金で獲得したのお金」とみなされる「短期借入金」が増加しているのでしょうか。したがって、単純にグラフの動きだけを見れば、この2023年12月時点では、今後株価が上昇していくとは考えにくい状況です。

「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍かをみると

しかし、2023年12月決算では損失を計上したにも関わらず、その後株価が上昇し続けている理由としては、「事業の儲けで獲得したお金」に比べて「株価」が低い、つまり、株価が「割安」であるとの見方ができます。下図のとおり「事業の儲けで獲得したお金」の2.82倍(2023年12月決算時点)が株価となっていま。他の企業では10倍や8倍という高い割合が散見されますから、確かに「割安」といえそうです。

1年後の2024年12月決算は約362億円の利益を計上、しかし株価は下落

株価下落の原因は、何らかの財務面での問題を抱えているからでしょうか。株価下落直前の2024年12月決算では、前年の2023年12月決算でみられた緑のグラフ「運転資金で獲得したのお金」の増加がさらに増加しています、つまり「短期借入金」がさらに約353億円増加しています。しかし、これは増加した「短期借入金」とほぼ同額が「CP(コマーシャルペーパー:返済期間1年未満の無担保の約束手形)の返済のために支出されているから増減差し引きゼロです。さらに最も注目すべき「事業の儲けで獲得したお金」は約225億円増加しています。したがって、財務内容の悪化した企業に見られる「事業の儲けで獲得したお金」がないので「短期借入金」で「やりくり」したのではないようです。

茶色のグラフに関する「長期借入金」も270億円を返済

茶色のグラフ「設備・投資等で獲得したお金」の「長期借入金」も減少しています。「事業の儲けで獲得したお金」がなくて資金調達に困っている場合には、このような借入金の返済はありません。したがって、DIC(株)が財務的に大きな問題を抱えているとの判断は成り立ちません。

DIC株式会社の今後の株価の動きについて

以上述べたように、DIC(株)の財務内容について大きな問題はありません。また、「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍で推移しているかをみると、2024年12月決算では2.68倍で前年の2023年12月決算時点の2.82倍よりも減少して「割安」への傾向を示しています。「釈迦に説法」で恐縮ですが、株価は当然に株式市場や業界の動向、トランプ関税などにより大きく変化します。しかし、株価判断の羅針盤としての財務の観点からは、時期は不明としてもDIC(株)の株価は必ず反転すると考えられます。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸いです。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています
今週に追加した企業は、「AGC(株)」と「協和キリン(株) 」です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:豊後の国(大分県)です。JR久大線(久留米市➡大分市)の「天ケ瀬温泉駅」から「豊後中村駅」に歩いて行った途中にある「慈恩の滝」です。しばし休むには最適の滝でした。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年4月21日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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