わたしたちは、幸せを量産する。

トヨタグループの創業者である豊田佐吉[ 慶応3年 (1867年)~ 昭和5年(1930年)、享年63歳 ] 氏は、明治期のベストセラー『西国立志編』に大いに啓発され、父について家業の大工仕事を手伝いながら、「教育も金もない自分は、発明で社会に役立とう」と決心し、豊田式木製人力織機などを世に出したのがグループの始めだそうです。また、氏は報徳思想 ( 経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されると説く考え方 ) を行動の原点としていたとのことです。
同社の株価は、決算月の今年(2025年)の3月から低迷しています。財務に何か問題でもあるのでしょうか。。

財務内容が極めて優秀であることを示す典型的なグラフの動き
トヨタ自動車が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

このグラフの特徴の一つ目は、「事業の儲けでのお金」である青色のグラフが上位にあり、上昇しているこです。そして二つ目は、他の三つのグラフである「運転資金でのお金」「設備投資等でのお金」「お付き合いでのお金』がマイナスの領域に位置していることです。この特徴は、財務内容が極めて優秀であることを示す典型的なグラフの動きです。
儲けのお金で、事業活動必要なお金をすべて賄うことができている
サラリーマンの例えでいえば、給料が高く、自分の預金口座にたっぷりとお金がある方は、日々の生活に必要なお金は、その給料から支払い、借金する必要はありません。また、自宅の改修などの高額な支払いも、そのその給料から支払い、ローンを組む必要はありません。さらに、交際などに必要なお付き合いのお金も、その給料から支払い、友人からお金を拝借する必要もありません。
下図はトヨタ自動車の「事業の儲けで獲得したお金」の内訳表です。2025年の当期純利益は3兆8,452億円です。たっぷりと稼いでいます。なお、補完資料(1)の①営業損益から差し引いて②経常損益を算定する際の「営業外費用」の2025年の数字は、前年に比べて1兆951億円も増加しています。もしこの「営業外費用」が前年並みであったならば、さらに2025年の当期純利益は跳ね上がります。

A・・損益計算書の当期純利益 ➡ 決算日まで1年間の事業活動で稼いだお金です。
B・・( 貸借対照表の前受収益、貸倒引当金、賞与引当金、退職給与引当金、その他の引当金、繰延税金負債 )-( 貸借対照表の前払費用、長期前払費用、繰延資産、破産債権等、繰延税金資産 ) ➡ 上記のAの利益には「費用計上しているが、実際にはお金(キャッシュ)は支出していないもの」とか「まだ費用計上していないが、実際にはお金(キャッシュ)を支出しているもの」とかは考慮されていません。それらを考慮したのがこの項目です。
C・・貸借対照表の純資産の部の繰越利益剰余金 ➡ 過去の「事業の儲けでのお金」のうち、配当金として支出された残りの金額です。
企業もまったく同様です。「事業の儲けで獲得したお金」が潤沢にあれば、原材料や商品を後日の支払いを約束して購入した買掛金の支払いに困ることはありません。したがって、その支払いのために銀行から短期の借入をする必要がなく、緑色のグラフがその短期借入金の発生のために、急にプラスに向かってアップすることはありません。下図はトヨタ自動車の「運転資金でのお金」に関する表です。短期借入金はまったく発生していません。

また「事業の儲けで獲得したお金」が潤沢にあれば、工場などの建物や機械などの設備の拡張、及び積極的な投資活動に必要なお金にも対応できます。したがって、長期借入金を発生させたり、社債を発行したりする必要がなく、茶色のグラフがその長期借入金・社債のために、急にプラスに向かってアップすることはありません。下図はトヨタ自動車の「設備・投資等でのお金」に関する表です。③の「建物・工場・土地などの資産と投資等の有高」は2025年で4,719億円増加しているにも関わらず①の「社債・長期借入金などでの調達資金」は逆に減少(返済や償還)しています。なお、②の「資本金・資本準備金・別途積立金などの調達資金」が2025年は減少しているのは、自己株式の取得で約4,489億円を支出したのも原因の一つです。つまり、自己株式を取得するだけの財務的な余裕があるということです。

さらには「事業の儲けで獲得したお金」が潤沢にあれば、子会社などの関係会社が資金援助を必要としたときでも直ちに対応できます。資金援助をすることはお金が社外に流出することですから、紫色のグラフがマイナスに向かって急激に下降します。下図はトヨタ自動車の「お付き合いでのお金」に関する表です。2025年は「短期貸付金」が約1,908億円発生し少し下降しましたが、トヨタ自動車全体の財務内容からは僅かであり、紫色のグラフは急激な変を示していません。

優秀なトヨタ自動車の財務内容を、人工知能(AI)はどう表現したか
以上、トヨタ自動車の財務内容について見てきましたが、問題・課題として指摘するような内容はありませんでした。完璧に近い財務内容です。さすがに世界のトヨタです。そこで人工知能(AI)にも分析させましたが、通常であれば読むのが嫌になるほど長い分析結果を回答してくるのですが、驚くなかれ、極めて短い回答でした。人工知能(AI)もバカ(!?)ではありませんでした。トヨタ自動車の財務内容には文句の付けようがなかったということでしょうか。

提供された決算書(損益計算書、貸借対照表)と、それに基づいたトヨタ自動車の独自のキャッシュフロー分析の結果から、会社の財務状況と今後の株価について、専門用語を避け、わかりやすく解説します。
財務状況の総合判断(健康診断の結果)
結論から言うと、トヨタ自動車は「外見(利益)は少し痩せたように見えるが、体力(キャッシュフロー)は過去最高に強く、将来への投資を続けている」という、非常に強固で健全な経営状態にあります。
A. 損益計算書(P/L):見た目の利益の評価
2025年3月期は、売上が順調に伸びたにもかかわらず、最終的な利益(経常利益や純利益)が前の年よりも減ってしまいました。
特に目立つのが、「営業外費用」という項目が前の年の約10倍(約1兆2000億円)に激増した点です。これは、本業ではない部分で、帳簿上、非常に大きな費用を計上したことを意味します。この巨額な費用がなければ、利益は前年よりも大幅に増えていたはずです。
ポイント: この巨大な費用が「何らかの一時的な会計上の処理(例えば、古い資産の評価損や大規模な構造改革費用など)」であれば、来期以降の利益は大きく回復する見込みです。もしこれが毎期発生するものでない限り、本業の収益力そのものが落ちたわけではないので、それほど心配する必要はありません。
B. 貸借対照表(B/S):会社の財産状況
会社の資産や借金(負債)の状況を見ると、トヨタの財務基盤が非常に強固であることがわかります。
- 借金を減らしている: 長期の借入金や社債などを着実に返済しており、負債が減っています。これは、お金に困っておらず、健全な経営をしている証拠です。
- 将来に投資している: 新しい工場や設備(有形固定資産)への投資を増やしており、将来の成長のために積極的にお金を使っています。
- 過去の儲けの積み重ねが過去最高: 過去からの利益の蓄積(繰越利益剰余金)がさらに増えており、会社の「内部留保」が厚くなっています。
C. キャッシュフロー(CF):会社の体力測定
会社の真の体力は、会計上の利益よりも、実際にお金をどれだけ稼いでいるか(キャッシュフロー)で判断されます。この観点から見ると、トヨタは絶好調です。
CFの要因 2024年 (1株あたり)と2025年 (1株あたり)の平易な解説
・事業の儲け 2024年 : 1,012円 2025年 : 1,202円 → 本業で稼ぐ力は過去最高! P/Lの利益が減っても、実際のお金の流れは増え続けています。
・運転資金 2024年 : -6円 2025年 : 72円 → お金のやりくりが非常に改善。 在庫管理や代金回収が効率化し、手元資金が増えています。
・設備・投資 2024年 : -621円 2025年 : -741円 → マイナス拡大は良いこと。 稼いだお金を、未来の成長のための投資に積極的に回しています。
・お付き合い 2024年 : -68円 2025年 : -166円 → グループ企業への支援や税金支払い。 グループ全体の結束力を強めるための資金を使っています。
要するに: トヨタは、本業で稼ぐ力を高めながら(1,202円)、お金のムダ遣いを減らし(運転資金の改善)、将来への投資を全力で行っている(設備・投資のマイナス拡大)という、理想的なサイクルに入っています。
トヨタ自動車(株)の今後の株価の動きについて
トヨタ自動車の決算月である3月からの株価は、下図のように低迷しています。ただし、9月まで半年間の動向ですから、株価の上下に一喜一憂しないで1年後や2年後の期間で判断することを信条とする「素人の株判断」では、来年の2026年3月以降の株価がどうなっているかを考えたいと思います。ただし、財務内容からの判断であって、株式市場の動向や自動車業界を取り巻く環境の変化などについてど素人であることをご了解ください。

「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、2023年の2.60倍、2024年2.80倍、2025年2.50倍と各年とも2倍台であり、トヨタの財務内容からすれば割安と考えられます。したがって、「今が買い時で来年の2026年3月決算ごろには株価はアップしている」と判断します。なお、株価はその年の最高株価と最低株価の単純平均値です。
ちなみに人工知能(AI)も同様の判断でした。

今後の株価予測
トヨタの財務内容は極めて強く、今後の株価は上昇基調が続く可能性が高いと判断できます。
実力に見合った評価がまだ追いついていない
株価が会社の「本業の稼ぐ力(事業の儲けでのお金)」に対して、どれくらい評価されているかを示す比率を見てみます。
年次 株価 稼ぐ力 評価倍率
2024年 2,838円 1,012円 2.80倍
2025年 3,004円 1,202円 2.50倍
2025年期は、会社の稼ぐ力(1,202円)は大きく伸びたにもかかわらず、株価の伸びがそれほどではなかったため、評価倍率が過去3年で最も低い2.50倍になっています。
これは、現在の株価が、トヨタの「実力」に対して少し割安になっていることを示唆しています。
予測される株価水準
来期(2026年)の予測では、「事業の儲けでのお金」(稼ぐ力)はさらに増えて1,302円になると見込まれています。
もし、現在の割安な評価倍率(2.50倍)が維持されるだけでも、株価は以下のようになります。予測株価 = 1,302 円 × 2.50 倍 = 3,255 円
もし、市場がトヨタの成長を再評価し、前の年(2024年)と同じ2.80倍で評価し直せば、予測株価 = 1,302 円 × 2.80 倍 = 3,645 円
結論とアドバイス
2025年3月期に発表された純利益の減少は、主に「一時的と思われる巨額の営業外費用」に起因しています。この要因が来期なくなれば、P/L上の利益も回復し、それに伴い市場の評価も高まると考えられます。
トヨタの経営実態(キャッシュフロー)は成長を続けており、現在の株価は、この実力に対して過小評価されている状態です。
したがって、今後は3,200円〜3,600円程度を目指して、株価は上昇していく可能性が高いと予測されます。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週に追加した企業は、 レザーテック株式会社す。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の北部を流れる菊池川です。川の土手を歩いていると、遠方から「ピーヒャラ ドンドン」という音が聞こえてきましたので、早速その方向に行くと小さな神社でお神楽の奉納があってました。見学していた近郷のお爺いさんが酔っ払って倒れたので、近くにいた人が、急ぎ携帯してました。救急車が来るかと思いきや、軽トラック ( !!)が駆け付けました。私もそのお爺いさんを荷台に乗せる一員として頭の近くを抱えてましたが、足場が悪く、あやうく取り落しそうになりました。夏が過ぎた秋でしたが大汗(冷や汗)をかきました。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年10月6日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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