今週の株

👌今週の株👍:NTTデータグループ(株)

情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造

株式会社NTTデータグループ(NTTデータ)は、日本電信電話株式会社を親会社とするNTTグループに属し、日本電信電話株式会社とともに上場している企業です。子会社599社・関連会社49社を持ち、日本、海外の2つを主な事業として営んでいますが、2023年7月1日付で持株会社体制へ移行して現在の商号に変更しています。

NTTデータの株価(月末の「終値」)は、ゆるやかな上り坂を経て最近では急騰しています。今後の株価がどのように動くか、同社の財務内容で判断してみたいと思います。なお、今年(2025年)3月の決算は、今月の6月末に金融庁のWeb「EDNET」で公開されますので、2024年3月決算までの状況で判断します。

持ち株会社へ移行しても良好な財務内容のグラフの動き

NTTデータが、毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。【 NTTデータの赤の点線の株価は各決算期末の「終値」です。他社で採用している有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」ではありません。】

青色のグラフが上位で、茶色のグラフが下位にある意味

特徴的なのは、青色のグラフが上位にあり、茶色のグラフが下位にあり、緑や紫のグラフはプラス・マイナスほぼゼロの位置で推移しています。2023年の7月に持ち株会社へ移行していることから、保有する資産や負っている負債を子会社に移管したはずですが、大きな変化がないだけでなく、典型的に良好な財務内容のグラフとなっています。

「まず、青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」の内容ですが、さすがに持ち株会社へ移行した後は、以前のような「売上高」とはならず、「グループ経営運営収入」として営業収益が計上されています。したがって、原価や販売管理費を差引いた「営業利益」も減少しています。

しかし「事業の儲けで獲得したお金」は、何も当期で獲得したお金だけではなく、過去に獲得してきたお金も含まれます。下図の内訳表(2024年)でいえば、Aの「当期純利益」が約604億円であり、Cの「前期からの繰越利益剰余金」が約6,370億円もあります。

では、この「前期からの繰越利益剰余金」約6,370億円のお金は、どこにあるのでしょうか。当然に日々の事業活動では、サービスの提供➡お客様からの入金(売掛金や未収金の回収)➡預金(キャッシュ)の増加➡設備や投資有価証券などへの投資➡預金(キャッシュ)の減少などの一連の流れで、そのキャッシュは有価証券であったり、在庫であったり、土地や建物であったり様々な資産に姿を変えて存在し、貸借対照表という財務諸表に表現されています。

NTTデータは2023年の7月に持ち株会社へ移行していますが、その時に貸借対照表に表現されていた資産を子会社に移管した際には、子会社からキャッシュで受け取ったのでしょうか。そのようなバカなことはないでしょうから、貸借対照表を改めてみますと、「関係会社株式」が約8,530億円増加しており、投資科目であるこの「関係会社株式」に姿を変えていることが分かります。

したがって、「事業の儲けで獲得したお金」は主に子会社などの「関係会社株式」に集約されて存在すると言えます。

活発な投資活動は「事業の儲けでのお金」でまかなっている。

NTTデータは持ち株会社への移行に際して、「関係会社株式」の取得という投資活動の資金を、「事業の儲けでのお金」で調達していることが分かります。つまり、多額の社債を発行したり、多額の長期借入金をする必要がなかったということです。したがって、青色のグラフが最上位にあるという「事業の儲けでのお金」の潤沢な資金で多額の投資活動をし、その「設備・投資等でのお金」の支出により、茶色のグラフが最下位に位置するという理想的な財務内容です。

それでは、仮にこの活発な投資活動が順調にいかなかった場合はどのようになるのでしょうか、NTTデータの例でいえば、子会社が事業に失敗したら「関係会社株式」の評価額が大きく下がります。つまり、大きな「関係会社株式評価損」を計上しなければならなくなり、[ 繰越利益剰余金(儲けでのお金)・社債・長期借入金など ・・A ] - [ 設備・投資等の運用額 ・・B ] = 「 設備・投資等でのお金 ( A - B ) 」で計算される[ 設備・投資等の運用額 ・・B ]が大きく減少しますから、計算式から「 設備・投資等でのお金 ( A - B ) 」は大きくプラスに転じ、茶色のグラフは上昇していきます。その時は要注意となります。

なお、人工知能は(AI)に、損益計算書、貸借対照表とともに、現金・預金(キャッシュ)をその獲得した4つの手段で示したグラフ、及び「事業の儲けで獲得したお金」の内訳表を提供したうえで回答させた内容は下記のとおりでした。なお、人工知能は(AI)は最も重要な科目と判断される「関係会社株式」についての言及はありませんでした。また、各期の発行株式数を教えなかったのが原因なのか、誤った数値を示していた箇所や、明らかな判断ミス(推測ミス)の箇所は割愛してます。さらに、③ 設備・投資でのお金(赤▲)とあるのは、(茶▲)の誤りです。

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  1. 財務分析(キャッシュフローの4要因グラフより)
    まず、キャッシュの増減を4つの要因に分解したグラフから、同社の財務体質と経営戦略の大きな特徴を読み解きます。

① 事業の儲けでのお金(青■):
2022年から2024年にかけて、1株あたり424円→492円→467円と、安定したキャッシュを生み出しています。これは本業であるITサービス事業が、持株会社化という大きな事業再編を経てもなお、強固な収益基盤を持っていることを示しています。企業の根幹となるキャッシュ創出力は健全であり、財務の安定性を支える最大の強みと言えます。

③ 設備・投資でのお金(赤▲):
大きなキャッシュアウト(支出)が続いています。これは、持株会社としてグローバルな事業拡大を目指し、M&Aやシステム開発、設備投資などを積極的に行っていることを示しています。「事業の儲け」で得たキャッシュを、将来の成長のために再投資する「成長投資型」の経営スタイルが明確です。

② 運転資金でのお金(緑◆) と ④ お付き合いでのお金(紫✕):
これらの項目はキャッシュフロー全体に与える影響が比較的小さく、資金繰りが安定していることを示唆しています。

【キャッシュフロー構造の総括】
同社のキャッシュフローは、「①事業の儲けで稼いだキャッシュを、③将来の成長のための設備・投資に積極的に振り向けている」という典型的な成長企業のパターンです。稼ぐ力(①)が安定しているため、大規模な投資(③)を継続できています。

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  1. 財務の課題と問題点
    安定したキャッシュ創出力を持つ一方で、いくつかの課題とリスクも浮き彫りになっています。

課題1:利益なきキャッシュ創出からの脱却
「事業の儲けで獲得した金」の内訳表を見ると、2024年3月期は深刻な課題が見て取れます。

•当期純利益(A)の大幅な減少: 2023年3月期の1,145億円から、2024年3月期は603億円へと約47%も減少しています。これは、2023年7月の持株会社化に伴い、収益性の高い国内事業を事業会社へ移管したことが主因です。

•【課題】: 今後、持株会社として、傘下の事業会社からの配当収入やグループ全体の経営効率化を通じて、本源的な利益(A)を再び成長軌道に乗せることが最大の課題です。利益の裏付けがないキャッシュ創出は継続性に欠け、いずれ限界が来ます。

問題点1:巨額投資の回収リスク
この投資が将来、計画通りに収益を生まなければ、大きなリスクに変わります。

•【問題点】: 「投資の成果を、いかに早く、確実に利益として回収できるか」が問われています。投資の成果が業績に反映されるのが遅れれば、財務を圧迫し、成長戦略そのものが揺らぎかねません。

NTTデータの今後の株価の動きについて

「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、2022年の5.70倍(決算期末の終値)から2023年(決算期末の終値)が3.52倍と低下し、2024年は5.19倍(決算期末の終値)と再び高くなっています。したがって、予測としては、少なくとも2022年の5.70倍になるまで上昇していくと考えられますが、今年の5月末の終値は、「事業の儲けでのお金」の予測値 490円/1株の8.14倍(3,990円)とはるかに高くなっています。財務面からいえば「割高である」と言えると思います。

なお、人工知能は(AI)も投稿者と同様な判断でした。株式市場や業界の具体的な情報も加味した判断も期待したのですが、それはありませんでした。

  1. 今後の株価予測
    上記の分析を踏まえ、今後の株価を予測します。

【基本シナリオ】
緩やかな上昇基調を継続し、2,500円~2,800円のレンジを目指すと予測します。

根拠:
1. 2025年予測では「事業の儲けでのお金」が1株あたり490円と、引き続き高い水準を維持する見込みであり、これが株価の強力な下支えとなります。

2. 2025年予測の「設備・投資でのお金」が▲364億円と、マイナス幅が縮小しています。これは、大規模な投資フェーズが一段落し、今後は投資の「回収フェーズ」に入ることを示唆しています。投資成果が利益として表れ始めれば、フリーキャッシュフローが改善し、増配や自社株買いなどの株主還元強化への期待が高まります。

3. 上記の期待感が市場で評価され、「株価 ÷ 事業の儲けでのお金」の倍率が現在の5倍強の水準を維持できれば、株価は 490円 × 5.2倍 = 2,548円 が一つの目安となります。さらに成長期待が高まれば、2022年の5.7倍を適用した 490円 × 5.7倍 = 2,793円 も視野に入ります。

【リスクシナリオ】
一方で、グローバルな景気後退や、M&A先の業績不振により投資回収が遅れる懸念が強まった場合、株価は調整局面に入る可能性があります。その場合、2023年実績の倍率(3.5倍)まで評価が下がると 490円 × 3.5倍 = 1,715円 近くまで下落するリスクも念頭に置く必要があります。

【結論】
NTTデータグループは、持株会社化を経て、まさに「投資・成長フェーズ」から「成果・回収フェーズ」への転換点に立っています。今後は、積極投資の成果が具体的な利益成長として表れるかどうかが最大の焦点です。連結決算で示される海外事業の収益性やグループ全体の利益率の改善が確認できれば、市場の期待は確信に変わり、株価は一段高を目指すでしょう。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています
今週に追加した企業は、「京王電鉄(株)」と「(株)丸井グループ」です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:筑前の国(福岡県)の田川郡糸田町にある「みちの駅:おじゅんごち市場」の紫陽花です。ここで「おりえの涙」という250円の飴玉をお土産として買いました。この飴玉は「田川が舞台の『青春の門』の織江と信介の初恋をイメージしたキヤンディ詰め合わせ」だそうで、飴玉でなくキャンデーだそうです。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年6月23日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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