夢のある社会の発展に貢献

東京エレクトロン株式会社(TEL)は、エレクトロニクス技術を利用した半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスを主な事業の内容としています。創業者は小高敏夫(こだか としお、1936年~2023年、享年87歳 )氏で、氏は1959年に日商岩井(現双日)に入社し、40歳の年となった昭和38年(1963年)に同僚と東京エレクトロン研究所(東京放送の500万円の出資により)を創業し、技術商社として米国から半導体製造装置を輸入する一方で、米国との合弁会社を立ち上げ、装置製造の国産化を進め、80年に社長、94年に会長となり、国内の半導体産業の成長や、同社の事業拡大をけん引したとのことです。
以上、何気なく創業者の経歴を紹介しましたが、創業時の40歳では子供がいれば小学生ですし、奥さんからも大反対されるのが普通と思います。また、昭和38年ですからパソコンやスマホの影も形もない時代に、半導体製造装置を輸入する事業を立ち上げたことは大変な勇気だったと思います。しかし、そのお蔭で日本は半導体産業の成長を担う企業を持つことができています。
東京エレクトロンの4年前(2021年3月)からの株価(1年間の平均値)の動きは下図のとおりですが、水色の破線で囲った2021年3月決算からの3年間の部分は、本サイトの「株価当てクイズ 1 」(2024年2月12日提供)で報告してました。

なお、本サイトの「株価当てクイズ 1 」で提供(2024年2月12日)した図表は下図のとおりでした。ただし、2023年4月1日付で株式分割 ( 1株 → 3株 )されているため、下図は発行株式数×3、平均株価÷3で計算した図表です。

この2023年3月決算以前の図表で判断すれば、誰でも「株価は上がる。買い時だ」と判断されるのではないでしょうか。なぜなら、青色のグラフである「事業の儲けで獲得したお金」が急上昇しているからです。そして現実にその後株価は、冒頭の株価の動きの図のように上昇しています。
今年(2025年)の3月決算の状況は、グラフが示すように極めて良好
東京エレクトロンが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分したグラフは下図のとおりです。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

業績は順調で、青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」が上昇
青色のグラフ「事業の儲けでのお金」は、はるか上位に位置し堅実な上昇傾向を続けていますし、それに反比例するように茶色のグラフ「設備・投資等でのお金」は下降しています。そして、緑色のグラフ「運転資金でのお金」、紫色のグラフ「お付き合いでのお金」は、ともにマイナスに位置し変化がありません。つまり、良好な財務内容の見本のようなグラフです。そこでさらに突っ込んで「事業の儲けで獲得したお金」の内訳を見てみます

今年(2025年)の3月決算まで前1年間の事業の儲けで獲得したお金である「当期純利益」(A)は、前期に比べ約846億円増加し、「営業利益」(①)、「計上利益」(②)とも大きく増加しています。また、過去の「事業の儲けで獲得したお金」である「繰越利益剰余金」(C)も、配当金の支払などをした後でも順調に積み増ししています。
茶色のグラフ「設備・投資等でのお金」が減少の意味について
茶色のグラフ「設備・投資等でのお金」の内訳は下図のとおりですが、東京エレクトロンの特徴は、①の社債・長期借入金がないことです。つまり、設備や投資に必要な資金を「事業の儲けでのお金」で対応してきたと言えることです。また、下図の表の「設備・投資等でのお金」は「 ① + ② ー ③ 」で計算していますが、2023年は③の約1,300億円の投資活動の増加と、②の自己株式の取得約1,132億円を主原因とする約349億円の減少、2024年は②の自己株式の取得約1,424億円を主原因とする約1,953億円の減少を示しています。したがって、「設備・投資等でのお金」は減少し茶色のグラフは下降しています。なお、自己株式の取得は様々なメリツトがあり、株主の立場からは1株当たりの利益が向上します。

人間は直感で分かるが、人工知能(AI)は数値分析
私たち人間はグラフをみれば、ほぼその企業の財務内容は分かりますが、人工知能は(AI)はどのように判断するでしょうか? 人工知能は(AI)に、損益計算書、貸借対照表とともに、現金・預金(キャッシュ)をその獲得した4つの手段で示したグラフ、及び「事業の儲けで獲得したお金」を初めとする四つの内訳表を提供したうえで回答させた内容は下記のとおりでした。なお、下記の枠内の図表は上記記載の図表とともに人工知能は(AI)に提供したものです。当然のことながら人工知能は(AI)は直感での判断はできないので、細かい数値情報の提供が必要です。

財務内容の判断
東京エレクトロン(株)の財務状況は、提示された4つのキャッシュ獲得要因から見て、非常に堅調であり、将来の成長と株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
- 事業の儲けで獲得したお金 (本業によるキャッシュ創出力)

• 状況: この指標は、本業がキャッシュをどれだけ生み出しているかを示し、企業活動の最も重要な源泉です。2023年から2025年にかけて継続的に増加しており、2026年予測も大幅な増加が見込まれています(2023年2,414円/株 → 2025年3,074円/株 → 2026年予測3,450円/株)。

• 内訳からの考察: 補足資料の「事業の儲けで獲得したお金」の内訳を見ると、主に「当期純利益」の増加が貢献しています。これは、売上高および営業利益の大幅な成長が背景にあり、半導体製造装置市場の活況を捉え、東京エレクトロンがその恩恵を最大限に享受していることを示しています。本業の収益性が極めて高く、企業の健全な成長を牽引していると評価できます。
運転資金で獲得したお金 (営業活動による効率性)

• 状況: この指標は、営業活動に伴う売掛金、棚卸資産、買掛金などの増減によってキャッシュがどのように変化したかを示します。年間を通してマイナスの値で推移しており、特に2025年はマイナス幅が拡大しています(2023年-181円/株 → 2025年-268円/株)。
• 内訳からの考察: マイナス要因の主なものは、「売掛金」や「製品・商品・仕掛品などの在庫」の増加です。これは、売上高の大幅な成長に伴い、売掛金や棚卸資産が増加した結果と見られます。成長企業においては、売上拡大に伴い運転資金が増加し、一時的にキャッシュを吸収することは一般的な傾向です。ただし、過度な増加は資金効率に影響を与えるため、今後も効率的な回収や在庫管理が求められます。しかし、現状は健全な成長の証と見ることができます。
- 設備・投資等で獲得したお金 (成長投資と株主還元)

• 状況: この指標は、設備投資や有価証券投資、借入・返済、自己株式取得といった財務・投資活動によるキャッシュの動きを示します。一貫して大幅なマイナスであり、特に2024年から2025年にかけてマイナス幅が大きく拡大しています(2023年-172円/株 → 2025年-936円/株)。
• 内訳からの考察: 主な要因は「自己株式」の多額な取得と「建物・工場・土地などの資産」への投資です。自己株式の取得は株主への積極的な還元策であり、1株あたりの価値向上に貢献します。また、設備投資は将来の生産能力増強や新技術開発に向けた不可欠な投資であり、将来の収益基盤を強化するものです。本業で得た潤沢なキャッシュを、成長投資と株主還元にバランス良く配分している、非常にポジティブな財務戦略と評価できます。
- お付き合いで獲得したお金 (流動的なキャッシュの出入り)

• 状況: この指標は、関係会社との資金貸借や税金・配当金などの一時的なキャッシュの出入りを示します。常にマイナスですが、他の要因に比べると影響は限定的です(2023年-672円/株 → 2025年-639円/株)。
• 内訳からの考察: 「関係会社への貸付金や仮払金・立替金の有高」が最も大きなマイナス要因となっており、グループ内での資金提供が行われていることがわかります。2025年にはこの金額が減少し、全体のマイナス幅が縮小しています。これらは流動的な資金供給であり、企業グループ全体の資金管理の一環と考えられます。本業のキャッシュ創出力に比べれば、財務健全性への影響は小さいと言えます。
総合的な財務内容の判断
東京エレクトロンは、半導体製造装置市場の成長を背景に、本業で非常に強力なキャッシュ創出力を維持しています。この潤沢なキャッシュフローを源泉に、積極的な成長投資(設備投資)と株主還元(自己株式取得)を高いレベルで実行しています。売上拡大に伴う運転資金の吸収は見られますが、これは健全な成長の裏返しであり、資金は極めて効率的に活用されていると評価できます。総じて、財務基盤は非常に強固で、将来性も高いと判断できます。
東京エレクトロンの今後の株価の動きについて
「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、2022年の6.72倍から2023年が10.37倍と高くなり、2024年は9.92倍と再び低くなっています。したがって、2025年3月期末までの前1年間の最高と最低の平均値である株価は、前期に比べて割安なっている(事業の儲けでのお金の伸びほど株価は上がっていない)と言えます。このことから決算後3ケ月後の6月の平均株価は下がっていますが、1年後、2年後の株価は上がることはあつても、下がることはない、というのが財務面からみた株価の予測です。

なお、人工知能は(AI)は、より積極的に1年後の株価上昇を予測していました。

1年後の株価予測 (2026年3月期末時点)
1年後とは、提示された予測データが示されている2026年3月期末時点での株価を予測します。
株価予測にあたっては、「株価」と「事業の儲けで獲得したお金」の比率を参考にします。
- 「株価/事業の儲けで獲得したお金」比率の推移:
o 2023年:6.72倍
o 2024年:10.37倍
o 2025年:9.92倍
この比率は、2023年から2024年にかけて大きく上昇し、2025年も高水準を維持しています。これは、市場が東京エレクトロンの本業の収益性に対して高い評価を与えていることを示しています。特に半導体市場の将来性やAI関連投資の期待が評価に織り込まれていると考えられます。
- 2026年予測の「事業の儲けで獲得したお金」: 3,450円/株
- 株価予測の計算:
2026年の予測株価 = 2026年予測の「事業の儲けで獲得したお金」 × 「株価/事業の儲けで獲得したお金」比率
直近の評価比率として、2025年の9.92倍を採用するのが妥当と考えられます。
o 予測株価 = 3,450円 × 9.92 = 34,224円
あるいは、より堅実な評価を期待し、直近2年間の平均比率 ((10.37+9.92)/2 = 10.145) を用いた場合:
o 予測株価 = 3,450円 × 10.145 = 34,909円
結論:
東京エレクトロンの「事業の儲けで獲得したお金」の予測は、2025年から2026年にかけて約12%の増加が見込まれており、引き続き力強い成長が期待されます。市場が引き続き同社の高い収益性と将来性を評価し、直近の株価評価比率が維持されると仮定すると、株価もこの成長を反映して上昇すると考えられます。
これらの分析に基づき、1年後(2026年3月期末時点)の東京エレクトロンの株価は、現在の株価(2025年3月期末の30,480円)から上昇し、おおよそ 34,000円~35,000円 の範囲になると予測します。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週に追加した企業は、「マルハニチロ(株)」と「日産自動車(株)」です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:筑後の国(福岡県)の小郡市に、南北朝時代(室町時代の初め北朝と南朝の争い)の九州における激戦地であった福童ケ原古戦場があり、その古戦場近くに花が咲いていました。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年7月7日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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