地球の力で未来へ挑む

株式会社 INPEX は、国内外で石油・天然ガス等の鉱業資源の権益を持つ大手石油開発企業で令和3年(2021年)4月に、旧社名「 国際石油開発帝石株式会社」から 現社名に変更しました。主な株主は、経済産業大臣と石油資源開発株式会社(JAPEX)です。
同社の株価は、2025年3月の決算月へ向けてなだらかに上昇し、2026年に入り急激に上昇しています。今後も上昇が続くのかどうかを、財務面から判断してみたいとと思います。

シンプルで見やすいグラフの動き
INPEXが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) は、プラスの上位に位置していますが、現状維持で伸びは認められません。なお、2025年3月決算では、緑色の「運転資金でのお金」(・・② ) が増加し、茶色の「設備・投資等でのお金」(・・③ ) が減少しています。シンプルで見やすいグラフですが、先ず青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) について見ていきます。
「事業の儲けで獲得したお金」は現状維持、横ばい
下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。当期の純利益は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算されています。したがって、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローベースでみた当期純利益「A」は減少しています。
しかし、過去から蓄積された純利益であって「配当金」などを支出した後の繰越利益剰余金は、下図の「B」のとおりアップしています。したがって、「A」と「B」との合計である「事業の儲けで獲得したお金」の青色のグラフ「C」は現状維持、横ばいの状況です。


緑色の「運転資金でのお金」が増加していることについて
緑色のグラフで示される「運転資金でのお金」が増加( 棒グラフB ) している大きな原因は、朱枠で囲った箇所の「コマーシャルペーパー( 企業が短期資金の調達を目的に金融市場で発行する無担保の約束手形です。) 」が約2,197億円増加し、新たに「短期借入金」が600億円発生していた( 棒グラフA ) ためです。財務的に留意すべきことは、この資金がどのような戦略に基づいて、どのように支出されるかです。下図の棒グラフから判断できるように、買掛金などの営業債務の支払のために調達された資金でないことは明らかです。つまり、業績が悪い企業でよく見られる運転資金に窮することによる短期資金の調達とは根本的に異なっています。


天然ガス価格等の不確実な要素の変動に対処
2025年3月決算期は、子会社などの「関係会社株式」が約1,333億円増加しています。この金額の増加が新規取得か、評価替えによる増加は不明ですが、有価証券報告書の注記事項には「天然ガス価格等の不確実な要素の変動」に対処する旨の記載があります。

したがって、茶色のグラフである「設備・投資等でのお金」のマイナスが拡大する、つまり、グラフが下降「C」する原因である投資活動の拡大「B」は、経営環境の激変に備える場合や、将来の成長戦略の一環とみることができます。なお、投資活動のための長期の調達資金「A}は、ほとんど変化していないという特徴も示されています。

株式会社 INPEX の今後の株価の動きについて
以上、(株)INPEXは、「短期借入金」「コマーシャルペーパー」の増加という今後の動きに留意すべき事項がありますが、堅調な財務内容です。そこで「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると、2.45倍であり割安と思われます。したがって、ホルムズ海峡の閉鎖という経営環境の激変はあるものの、今後も株価は上昇していく、というのが財務的な判断です。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週の追加した企業は、 (株)ジャパンディスプレイです。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:筑前の国 ( 福岡県 ) 福岡市博多区の西日本鉄道「桜並木駅」近くのの桜並木です。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年4月6日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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