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キリンホールディングス(株)は、東京都に本社を置く持株会社で、三菱グループの一員です。ビールメーカーのキリンビールや清涼飲料水メーカーのキリンビバレッジなどを傘下に持っています。
同社の株価は、2025年12月の決算期(各期の最高値と最低値の単純平均)以後に上昇し、今年の各月は下図のとおりあまり変化がみられません。今後の株価を財務的に判断してみます。

青色のグラフが2024年に急減し、緑色のグラフよりも下位に位置する
キリンホールディングスが毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分し分析したグラフは下記のとおりでした。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① ) は2024年に急減した後に横ばいで推移し、緑色の「運転資金でのお金」(・・② ) よりも下位に位置しています。茶色の「設備・投資等でのお金」(・・③ )は、2024年に急増し 、青色のグラフ「事業の儲けでのお金」(・・① )と真逆の動きを示しています。この変化について見てみます。
2024年12月決算期は大幅な赤字!!
下図は利益の3期比較表です。2024年12月決算期は大幅な赤字です。その原因は有価証券報告書の損益計算書の「経常利益」以下をみると、特別損失として「関係会社株式評価損」が発生したことを原因していることが明白です。


下図は「事業での儲けのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフで、2024年12月決算の当期の純損失の多額な発生から、2025年12月決算では回復しました。(・・A ) なお、当期の純利益は、キャッシュが出ているのに費用に計上されていない「前払費用」や、キャッシュは出ていないのに費用として計上されている「賞与引当金」などで計算 (・・B )されていますが変化はないことから、これらキャッシュの入出金を考慮してキャッシュフローでみた当期純利益も、2025年12月決算では回復しています。(・・C )
しかし、過去に稼いだお金は大きく減少 (・・D ) しています。これは2024年の決算が大幅な赤字であるにも関わらず、翌期の2025年度に開催される株主総会で、例年同様の配当金の支払いを決定したことから、過去に蓄積した事業の儲けでのお金を2025年に取り崩したためです。したがって、折れ線グラフの青色の「事業の儲けでのお金」が2024年に急減して、その後は横ばいで推移しています。(・・E )

「運転資金でのお金」が「事業の儲けでのお金」より多額
まず「運転資金でのお金」について詳しくみると、キリンホールディングスは、ビールメーカーのキリンビールや清涼飲料水メーカーのキリンビバレッジなどを傘下に持つ統括会社ですから、直接的な売掛金や買掛金さらに在庫を必要としていません。しかし、そのキリンビールやキリンビバレッジなどの関係会社に対して資金供給をする役割を持っていますから、その資金調達として短期の借入をしたり、コマーシャルペーパー(CP:短期の約束手形のようなもの )の発行を必要としています。したがって、「運転資金」の構成要素である「短期借入金」や「コマーシャルペーパー」の残高が多額に存在することとなり、緑色のグラフが大きなプラスとなります。
下図は「運転資金でのお金」をその構成要素ごとに区分して表示した棒グラフです。営業債務 (・・A )は僅かであり、営業債権や在庫はありませんが、「短期借入金」が約648億円、「コマーシャルペーパー」がやく30億円増加しています。(・・B ) そしてその結果として「運転資金でのお金」は多額に存在することとなっています。(・・C )


「お付き合いでのお金」がマイナスで推移している原因
キリンビールやキリンビバレッジなどの関係会社に対すしての資金供給は、「関係会社短期貸付金」(・・A )として表示され、2025年12月決算では約3,085億円の残高です。したがって、今後はこの紫色の「お付き合いでのお金」の動き(・・B )と、それに対応する緑色の「運転資金でのお金」の動きに今後とも留意する必要があります。そしてホールディングスの会社と言えども、青色の「事業の儲けでのお金」のグラフが、他のグラフよりはるかに高い位置に(大きなプラスの位置)なることこそが財務的には理想です。

キリンホールディングス(株)の今後の株価の動きについて
上述のようにキリンホールディングスは、2024年の大きな赤字 ( 原因は関係会社株式の評価損 )から回復途上であり、キリンビールやキリンビバレッジなどの関係会社に対する資金供給と資金回収の状況が良好と認められるまで株価は現状を維持すると財務的には判断します。また、「株価」が「事業の儲けでのお金」の何倍で推移しているかをみると2023年3.33倍➡2024年8.57倍➡20265年9.29倍と割高傾向となっていることにも注意が必要です。

人工知能(AI)の分析については、様々な上場企業を対象にしてきましたが、まだまだだなぁ、つまり「財務の専門知識をもった優秀な新入社員の『ありきたり』の回答に過ぎず、深堀できてないなあ」との思いが否めません。したがって、人工知能(AI)に分析させる質問の仕方や資料提供について検討していますので、しばらくの間は割愛しております。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸甚です。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週はモロゾフ株式会社です。正解しても景品も賞金もありません。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の北西にあり、筑後の国 ( 福岡県 ) との県境の「南関町」には、やはり花が咲いていました。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2026年6月15日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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