今週の株

👌今週の株👍:ファナック(株)

技術者は狭い路を真っすぐ歩くことが大切だ

ファナック株式会社は、富士通株式会社よりNC部門が分離し設立した会社で、NC工作機械、産業用ロボットの世界的企業です。実質的な創業者である稲葉 清右衛門 ( いなば せいえもん:大正14年~令和2年 )氏には「評論家なら広く浅く首を突っ込んでもいいが、技術者は狭い路を真っすぐ歩くことが大切だ」との言葉があるそうです。

ファナック(株)は2024年11月29日に「性能検査不正問題」と「株価が7%以上下落した」との報道がありました。また、工作機械の世界的トップメーカーですから、2024年から鮮明となった中国経済の低迷を受けて、利益の減少にともなう株価下落が続くのが普通と考えられます。しかし、2年前の2023年3月から株価の動きをみると、報道の影響はあまりないようです。したがって、この少し不思議な株価の動きを、同社の財務面からみてみたいと思います。

2023年➡2024年は収益・利益とも減少なのに株価に変化なし

金融庁の電子開示システムである「EDINET」に公開されている有価証券報告書の「損益計算書」では、売上高は約1,600億円の減少、当期純利益は約873億円減少しています。業績が低下すれば株価は下がると思われますが、なぜか株価はあまり変化していません。したがって、このファナック(株)の財務内容をすこし詳しく分析したいと思います。

青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」が横ばいで推移

ファナック(株)の財務分析では、が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分し分析します。( 株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。) なお、同社は2023年4月1日に1株を5株とする株式分割をしていますので、2022年及び2023年の発行株式数に5を乗じ、株価は1/5で計算しています。

利益減少でも「事業の儲けで獲得したお金」が横ばいの理由

「事業の儲けで獲得したお金」は、当期の利益だけで構成されているのではありません。会社の設立から獲得してきた過去の利益も含んで計算しています。すなわち、歴史もあり利益の蓄積のある会社は、1~2年程度の期間の業績の低迷があっても、過去の利益の蓄積が膨大であればさほど影響はでません。下図はこれらのことを現わした表です。

ファナック(株)の2024年3月決算期の当期利益は約873億円の減少でしたが、繰り越してきた利益剰余金は、前期に社外に流失させたお金である配当金を考慮しても約941億円の増加です。したがって、水色のグラフである「事業の儲けで獲得したお金」はあまり変化なく推移しています。したがって、株価の変動は、一時的な業績(当期純利益)の低迷で判断するのではなく、その企業の財務体力である「事業の儲けで獲得したお金」で判断するのが最も適切と考えられます。

緑、茶色、紫のグラフにも大きな変化がないということは?

例えば売上高・利益などの業績が急激に悪化した場合、儲けのお金が少なくなりますから資金繰りのために短期の借入金をします。すると短期借入金は「運転資金で獲得したお金」の増加とみなしますから「緑色のグラフ」がプラスに向かって急上昇します。

また別の例では、儲けのお金が少なくなると資金繰りのためのに、投資していた手持ちの有価証券などを売却します。するとこの有価証券の売却は「設備・投資等で獲得したお金」の投資というマイナス勘定が少なくなることですから「茶色のグラフ」がプラスに向かって急上昇します。

さらに別の例でいえば、儲けのお金が少なくなると資金繰りのためのに、子会社などから資金の回収を図るため「関係会社貸付金」の貸付金を回収したり、または「関係会社借入金」を増加させます、これらは子会社などとの「お付き合いで獲得したお金」の増加となりますから「紫色のグラフ」がプラスに向かって急上昇します。

しかし、ファナック(株)の緑、茶色、紫のそれぞれのグラフをみても大きな変化がありません。すなわち、上記のような財務的に問題のある例はみられず良好な財務内容といえます。

ファナック(株)の今後の株価の動きについて

では、今後ファナック(株)の株価はどのような動きを示していくでしょうか。まず、「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍かをみると、2024年3月決算期では6.77倍で、前年の6.81倍とほとんど変わりません。ただし2年前の2022年の8.85倍と比較すると2.08倍低い状態です。したがって、この業種における株価が「事業の儲けで獲得したお金」に対しての倍率は、どれほどが妥当な数値なのかの判断は難しいところですが、株価は上昇するものと思われます。ただし、今年3月の決算内容の公開を待ちたい(今年6月に公開)と思います。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸いです。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)

このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています
今週に追加した企業は、東急不動産ホールディングス(株)、日産化学(株)です。なお、正解しても賞金や景品はありませんので、どうかご容赦ください。

今週の「九州テクテク歩き」:豊後の国(大分県)の佐伯藩の城跡のある城山に登る途中の武家屋敷です。白壁の続きが印象的でした。

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最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年2月17日(月曜日)  投稿者  岡 陽三郎

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