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古河電気工業株式会社は、古河グループ(富士通、富士重電、古河機械金属など)の中核の企業で、光ファイバーで世界2位、電線では世界5位です。2年前の2023年3月から株価が急騰していますので、財務内容からその原因を分析してみたいと思います。

青色のグラフ「事業の儲けのお金」は横ばい。株価は急騰?
古河電工が毎決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分した下図のグラフは下図のとおりで、青色のグラフである「事業の儲けで獲得したお金」は最上位に位置しているとはいえ、伸びは横ばいです。しかし株価は急騰しています。なぜでしょうか? ( 株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

「株価」÷「事業の儲けのお金」は1.28倍で割安感があったから?
「株価」が「事業の儲けで獲得したお金」の何倍で推移してきたかをみると、1.59倍(2022年)➡1.15倍(2023年)➡1.28倍(2024年)と低い割合で推移していますがら、株価に割安感がありました。株価急騰はこの財務的な観点から予測できたとも言えそうです。

電線業界の事情での急騰を、財務的な裏付けで保証できるか
このブログの今年(2025年)2月10日に、古河電工と同じく日本の電線業界の一角を占め、同様に株価が急騰している(株)ブジクラの財務分析を報告しましたが、どうやら、株価急騰の本当の原因はその企業の財務内容などではなく、生成AIなどの拡大に伴うデータセンターの建設で電線や光ファイバーの需要を見込んでのことのようです。したがって、生き馬の目を抜くような株式市場のプロの方々の判断を、私らのような株の素人としては、その急騰を財務的に裏付けできるのか、できないのかを判断し、プロの方々の動きに乗っかるか、乗っからないかしようという「さもしい根性」をもっての報告となります。
まず緑色のグラフである「運転資金で獲得したお金」がプラスである点に注目します。

「運転資金で獲得したお金」は通常はマイナスのはずだが・・
運転資金とみる科目の主なものは、売上の代金を後日に回収する「売掛金」、仕入等の支払代金を後日に支払う「買掛金」で、財務的な良好な会社は「売掛金」が「買掛金」より大きいために「買掛金」-「売掛金」の計算ではマイナスとなります。例えば売掛金が100で、買掛金が80の場合には、マイナス20です。つまり、売掛金100が回収された後に、買掛金の80を支払うことはまったく問題ありません。しかし、それとはまったく逆の場合、つまり、売掛金70で、買掛金100の場合は、プラス30です。売掛金70が回収された後に、買掛金100を支払おうとしても、30が足りません。どうするか? 「儲けでのお金」が潤沢にあれば、その蓄積した現金・預金で対応するか、その蓄積している現金・預金がなければ、一時的な短期の借入である「短期借入金」で充足するしかありませんが、この「短期借入金」で補充する行為は、財務的には決してほめられる戦略ではありません、
古河電工は緑色のグラフの「運転資金で獲得したお金」はプラスでした。その内容は下図のとおり「売掛金」>「買掛金」ですからこの点では問題ありませんが、「短期借入金」「CP(コマーシャルペーパー:短期の資金調達に利用される約束手形)」の毎期の有高が多額です。
なお、売掛金」>「買掛金」で問題はないのですが、注目しなければならないのが、売掛金の回収期間が、年間売上高の12ケ月の単純平均金額からみたら約4.51ケ月後の回収期間であり異常に長期間であることです。

回収不能の売掛金の存在➡売掛金の増加➡短期借入金等の増加
一般的な事例では、無理に売上を増やす行為は、回収不能の売掛金の増加となり、結果的に運転資金の調達のための短期借入金の増加になります。業界には業界の取引慣習があり、一概に古河電工がそうだとは言えませんが、ゲスの勘ぐをされないような売掛金の回収期間である必要はあると思います。なお、古河電工の2024年3月決算期の有価証券報告書(損益計算書)は下図のとおり「営業損失」であって、「特別利益」で「当期純利益」を計上しています。この分析に活用しているソフトでは、この「特別利益」または「特別損失」は予測計算から除外しています。したがって、予測の2025年3月決算値の「事業の儲けで獲得したお金」は2024年と比較しても横ばいとなっているのです。

古河電気工業(株)の今後の株価の動きについて
以上、緑色のグラフ「運転資金で獲得したお金」に絞って財務分析しましたが、株価が電線業界における生成AIなどの拡大に伴うデータセンターの建設で電線や光ファイバーの需要を見込んで急騰しているとはいえ、財務的にみる素人の株判断としては「石橋を叩いてでも渡らない」との観点から、今後も株価は急騰するという判断に乗らないのが賢明であると考えます。いずれにせよ今年の2025年3月決算内容に注目したいところです。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸いです。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週に追加した企業は、東レ(株)、ミネベアミツミ(株)です。なお、正解しても賞金や景品はありませんので、どうかご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」:肥後の国(熊本県)の西南の役の激戦場である吉次峠(きちじとうげ)の近くからの遠景です。

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2025年3月10日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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