「世の中のすべてを楽しく愉快に観ることだ」

(株)大林組は明治25年に 大林 芳五郎 氏によって創業されましたが、氏は「社会、国家への奉仕が主で、自己の栄達は従だ。ただ、幾多の艱難・苦悩が必ずある。だから少しの時間でもよいから何事も忘れることが必要だ。自分としては小児となって馬鹿となり、世の中のすべてを楽しく愉快に観るようにしている」などと語っておられたそうです。私ら凡人のように馬鹿のくせに世の中に対してブツブツ文句を言っている者とはとは天地の開きがあるようです。
この(株)大林組は昨年の夏に、令和4年(2022年)の決算状況と、その1年後の令和5年の株価(2023年)の関連性を調べた結果、株価が上昇する確率がちょうど50%という企業の中にありました。先週に投稿したトヨタ自動車(株)も同じでしたから、引き続きなぜこのような確率となっていたのかを報告します。
令和4年(2022年3月決算)は「事業の儲けでのお金」が減少 ➡ 株価も減少

このグラフの特徴は、令和4年(2022年決算)で「事業の儲けでのお金」の減少にしたがって株価も下がっていることです。そこで「事業の儲けでのお金」が何故減少しているのかを有価証券報告書(下図)で調べてみます。なお、「事業の儲けでのお金」の減少に対比するよう「設備・投資等でのお金」の茶色のグラフは逆に増加していることも留意しておいてください。

確かに「営業利益」、「経常利益」、「当期純利益」のすべてが前期に比べて大きく減少しています。このため株価も下がったと思われます。ただし、この令和4年(2022年3月決算)で見落としてはいけない重要なことがあります。それは茶色のグラフである「設備・投資等でのお金」です。
過去の利益1,200億円を別途積立金に繰り入れ
令和4年(2022年決算)では、過去の利益と当期の利益の合計額である「繰越利益剰余金」から「別途積立金」という「純資産の部」の勘定科目に1,200億円を繰り入れしています。つまり「事業の儲けでのお金」を「設備・投資等でのお金」に振り替えたといえるのです。したがって、青色のグラフの減少に対比して、茶色のグラフが増加しているのです。有価証券報告書の下記の朱色の枠で囲っているのが「別途積立金」です。


1,200億円の別途積立金への繰り入れがなかったとすると・・
したがって、この「別途積立金」への繰り入れがなかったとすれば、「繰越利益剰余金」は1,200億円増加していたことになり、それは「事業の儲けでのお金」が1,200億円増加していたことになります。なお、この1,200億円は「別途積立金」という「純資産の部」の勘定科目になりましたから資本金と同じように「設備・投資等でのお金」とみなします。この繰り入れが仮になかったとした場合のグラフは下図のとおりとなります。【下図のグラフの1株当たりの数字は、1年間の数字ではなく、設立から続いて蓄積されている数字であることに注意してください。2022年の利益が前期の2021年の利益並みであったならば青色のグラフはもっと上昇します。】

このグラフで見ると、誰しも「株価は必ず上昇し続ける」と判断されると思います。ではその判断の結果はどうでしょうか?、今年(2024年)4月の大林組の株価を、月間相場表(日本取引所グループ公表)でみた結果は81.9%アップでした。

財務の分析をして株価の下がっていた2022年3月に株式を購入していたら大儲けできた ?
先週のトヨタ自動車(株)と同じく、結果が分かっていて能書きを述べる「後出しジャンケン」ですが、株価が下がっていた令和4年(2022年3月決算)に、繰越利益剰余金」の1,200億円を「別途積立金」に繰入していなかったとした上記のグラフをみて、株が下がっているのは「財務的におかしい、株の買い時だ ! 」となり「大儲け」できたと思いますがいかがでしょうか。なお、今年の決算(2024年3月決算)は、金融庁のWebサイト「EDINET」で6月末に公開されますので、新たに(株)大林組が決算期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、そのキャッシュを獲得した4つの手段である「事業の儲けで獲得したお金」「運転資金で獲得したお金」「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」「お付き合いの短期資金で獲得したお金」で分析して報告したいと思っています。
「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸いです。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っています。
今週に追加した企業は、「NTN株式会社」(NTTではありません、NTNです)と「株式会社神戸製鋼所」です。
なお、全問正解されても、賞金や景品はありませんので、どうかご容赦ください。
「九州テクテク歩き」は肥後の国、熊本県「杖立(つえたて)温泉」です。江戸時代に筑後の国の柳川藩の武士が、病んだ老母を湯治に連れていったところ、肥前の国の鍋島藩の大勢の武士から愚弄されたことから、正式の試合となり真剣での斬り合いとなった温泉地で、その斬り合いは、写真手前の駐車場かなと思ったりしました。(海音寺潮五郎の歴史談:旧柳川藩志にもとづく「豪傑組」)

来週は、(株)神戸製鋼所です。(先行して今週の「株当てクイズ」にグラフを提供しています。株価の判断は極めて容易と思いますが、単年度の決算での儲けのお金と、過去からの儲けのお金(蓄積された利益)の違いについて説明します)
最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2024年6月3日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎 ]
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