日産自動車、ホンダと経営統合へ協議

NHKの放送によると、EV=電気自動車などの分野で海外の新興メーカーの存在感が高まる中ホンダと経営統合に向けて協議を進めていることがわかりました。統合が実現すれば、世界3位の巨大自動車グループが誕生することになります。なお、関係者によると、両社は持ち株会社を設立し、それぞれの会社を傘下におさめる形で、経営統合する方向で協議を進めているということです。
日産自動車の株価と財務分析については、本年7月22日の「株価当てクイズ No.50」に下図のとおり投稿をしておりました。

改めて日産自動車の財務を分析してみます。
改めて2020年3月決算期から、日産自動車(株)が毎期末に保有する現金・預金(キャッシュ)を、その獲得した4つの手段である①「事業の儲けで獲得したお金」、②「運転資金で獲得したお金」、③「設備・投資等の長期資金で獲得したお金」、④「お付き合いで獲得したお金」で区分して分析してみました。( なお、株価は「終値」でなく、有価証券報告書に記載されている各決算前の1年間の「最高株価と最低株価の単純な平均値」です。)

青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」は上昇している。
本年(2024年)3月決算の財務内容に基づき、青色のグラフ「事業の儲けで獲得したお金」は来年の2025年も上昇が予測されました。それは下図の2024年の損益計算書にその予測の基礎となる数値があったからです。つまり、前期に比べ『売上高」も「利益」も朱線のとおり大きく伸びています。

株価は下落すると予測した財務面の原因は何か?
売上高、利益とも前期に比べて大きく伸びて、青色のグラフ「事業の儲けで獲得するお金」の2025年の予測もアップしているのに、株価が下落している原因は、お金を獲得する他の3つの原因のグラフの変化が激しくシンプルでないことによります。したがって、これからそれぞれのグラフについて説明します。

緑色のグラフが急落し、2024年に上昇しているのはなぜ?
サラリーマンの方も生活費が足りなくなれば、短期の借入をしますが、企業も同様です。したがって、日産自動車は、すぐに支払わなければならない買掛金などが、すぐに回収できる売掛金より多額ですから、その差額の資金を調達するため「短期借入金」をしたり、「コマーシャルペーパー(CP:企業が発行する短期の返済を約束した手形)」を発行しています。つまり、事業の儲けで獲得したお金があっても、運転資金に回すだけの潤沢な儲けのお金が不足しているといえます。

茶色のグラフは急上昇し、2024年に下降しているのはなぜ?
サラリーマンが大きな投資活動をする場合には、すぐに返済しなければならない借入では賄いません。長期のローンを組みます。それと同様に企業は、多額の設備投資や子会社などへの投資を行う場合には「社債」の発行や「長期借入金」を起こします。この茶色のグラフである「設備・投資等で獲得したお金」とは、「社債・長期借入金」などから「設備や投資額」などを差し引いたもの、つまり、長期で調達した資金の余剰資金のことです。日産自動車は、この長期の調達資金である「社債や長期借入金」を2023年に大きく増加させるとともに、投資額などを大きく減少させて、この余剰資金が大きく増加しました。この余剰資金が2023年に増加した投資額の減少の原因の一つが「関係会社への長期貸付金」の回収で、約4,540億円を回収しています。そして翌年の2024年には、逆に約1,878億円を貸出しています。このような子会社などの関係会社への資金投入の変動は、財務的には決して褒められたものではありません。

紫色のグラフが急落し、2024年に上昇しているのはなぜ?
子会社などの関係会社に何か大きな問題が生じている場合は、関係会社への短期の貸付金(長期の貸付金は上述のように投資等のお金の動きと判断します)が多額に発生します。その場合はこの紫色のグラフが大きく変動します。日産自動車のこの「お付き合いで獲得したお金」で見ると、2023年には関係会社へ約5,550億円を短期で貸付し、翌年2025年には逆に約1,840億円回収しています。ただし、関係会社への長期の貸付金と真逆の動きなので、単なる短期・長期の科目振替と考えられますが、短期・長期を合算して考慮しても、関係会社に対して2023年では純額で約1,000円を資金注入し、2024年も35億円の資金注入となっています。したがって、これもまた財務的には決して褒められたものではありません。

今後の株価の動向は?
「株価」を「事業の儲けで獲得したお金(単位は百万円)」で割った数は下図のとおりですが、日産自動車の株価は、ホンダとの経営統合の動きにからんでいますから、すでに財務面の動きで読み切れるものでなく、株の素人としては注視するのが無難と判断します。

「事業の儲けでのお金」「運転資金でのお金」「設備・投資等でのお金」「お付き合いでのお金」については、下記のユーチューブで簡単な説明動画が見れます。ご参考にしていただければ幸いです。
上場会社の財務分析手法 キャッシュフローの4つの原因分析とは? (youtube.com)
このブログでは別に「😊 今週の「株価当てクイズ」😢」を作っていますが、今週は割愛しております。ご容赦ください。
今週の「九州テクテク歩き」は、筑前の国(福岡県)の福岡市を北へ流れる御笠川に沿って行った時のものです。飛行機も飛んでましたが、トキのような白い鳥(サギ類?)も川面を飛んでました。(写真は撮れませんでした。)

最後まで見ていただきありがとうございました。
[ 投稿日 2024年12月23日(月曜日) 投稿者 岡 陽三郎
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